どうも、化粧品開発者のあひるです。
今回は、化粧品とは少し離れたお話をさせてもらおうと思います。
離れたと言っても、今後かなり密接に関わってくるであろうお話です。まだまだ一般消費者に馴染みはないかもですね。ですが、じわじわこの「SDGs」という言葉を聞くことになるはずです。
SDGsについては、前回の記事「【お肌にハリ、弾力を】ラクトフェリンラボ モイストリフトジェルセラム(サラヤ)」で少し触れさせてもらいました。
- 日本で、世界で取り組んでいかなければならい開発目標
- 日本の認知度と世界の認知度に大きな乖離がある
- 環境問題は本当に深刻
SDGs(エスディージーズ)とは?
Sustainable Development Goalsの略です。
持続可能な開発目標ということです。
誰の目標なのでしょうか?
地球全体の目標なのです。
これは、2015年の国連で開かれた主要国首脳会議(サミット)で決められた目標なのです。
つまり、国際社会、地球全体の目標ですね。
SDGsは、2015年から2030年までの長期的な開発目標です。
では、具体的な目標を見ていきましょう。
持続可能な開発目標
目標は、大きく17に大別されます。
これは、unicefのホームページから拝借してきました。
https://www.unicef.or.jp/sdgs/
この17個の目標が、社会全体の目標として、掲げられたのです。
人が、森が、海が、地球が、限りあるものではなく、未来に繋げていけるように、持続可能なものにしていこうという目標です。
これら17の目標には、細かなターゲット(さらに細かい目標)があります。
169のターゲット
目標1:あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
を見てみると、
- 2030年までに、1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
- 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
このように、細かく目標が掲げられています。
他の目標も見てみましょう。
目標6:すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
- 2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する。
- 2030年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女児、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う。
などなどがあります。
日本では考えられないようなことが、目標として定められています。日本の当たり前は、世界の当たり前じゃないんです。そう考えると、日本に生まれてこれたのは、本当に幸せなことだと思います。
日本の認知度、世界の認知度
認知度、どのくらいだと思いますか?
日本の認知度は、15〜20%程度だと言われています。
少ないですよね。
10人聞いて、2人いるかいないか。
それも、聞いたことがある程度の認識です。
低すぎる・・・。
島国だから?
というのも無関係ではないかもしれません。
世界での認知度は、60%程度
日本とは、大きな乖離がありますね・・・。
世界では、環境や貧困などに関するテーマ、問題はみんなで一緒に考えていこうとするムード、雰囲気が整っているような感じです。
日本での達成度、世界での達成度(2019)
SDGsは、ただ目標を掲げるだけではありません。
どの国が、どの程度進捗しているか、達成度まで発表されます。
達成度調査は、国連の機関が行っています。
目に見えるかたちとして現れるのは、大変良いことです。
2019年に発表された、達成度ランキングなるものがあるんです。
これまた、あまり知られていないですよね。
全部で、478ページもあり、各国について、詳細に書かれてあります。
当たり前ですが、全て英語・・・。
ランキングでは、
日本は、15位(2020年は17位でした)です。
ランキング参加国は、162カ国ですから、順位は良い方なのです。
認知度は低いんですけどね・・・。
ちなみに1〜10位は、下記の10カ国。()内は、2020年順位。
- デンマーク(2)
- スウェーデン(1)
- フィンランド(3)
- フランス(4)
- オーストリア(7)
- ドイツ(5)
- チェコ(8)
- ノルウェイ(6)
- オランダ(9)
- エストニア(10)
欧州ばっかりですね。
さすがです!
近隣諸国なども見てみましょう。
13:イギリス(13)
18:韓国(20)
35:アメリカ(31)
38:オーストラリア
39:中国(45)
55:ロシア
日本をもう少し詳しく見てみましょう。
報告書では、上記のように、各目標ごとに、精査されます。
赤→橙→黄→緑
と緑に近づくほど、達成の度合いは高くなります。
こうしてみると、
5:ジェンダー平等
12:つくる責任、つかう責任
13:気候変動に具体的な対策を
17:パートナーシップで目標を達成しよう
上記4目標は、達成度合いから、かなり遠い位置にいるのがわかります。
まだまだ改善の余地はありますね。
日本の達成度(2020)
日本における、SDGs達成度が発表されたので、その資料を添付します。2020年版です。
出典:https://s3.amazonaws.com/sustainabledevelopment.report/2020/2020_sustainable_development_report.pdf
あまり代わり映えしませんが、評価が上がっているところは確かにあります。
3,4,6、8、9、11、16と、緑の矢印で示されているのが、前年より評価が上がっている箇所です。たくさん上がってはいますが、世界と相対的に比べると、上がり幅が弱いのでしょうか、日本は順位を落としていますね。下がっている部分は、あまりないんですが・・・。
絶対評価であれば、これで良しかもしれませんが、そうではないですからね。世界と比べて、どうなのか?が大事なところ。日本は欧州に比べれば、まだまだなのでしょう。
化粧品業界での取り組み
化粧品業界でも、SDGsに積極的に取り組まれている企業はたくさんあります。
先日お話させてもらった、サラヤもそのうちの一つです。
全ては紹介しきれませんので、一部ご紹介します。
出典:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/case/org1.html
- コーセー
- 花王
- ポーラ・オルビス
- ファンケル
など
SDGsに取り組まれている企業はまだまだ少ない方かもしれません。
ですが、国は力を入れていますから、これからも増えることが予想されます。
SDGsに関連した、環境配慮型コスメなどについても書いています。化粧品選びの参考になれば幸いです。
最後に
簡単に、一言で言ってしまえば、
「素晴らしい社会、世の中、未来を創っていこう!」
ってことです。
大事なのは、
誰でもできることが目標として掲げられているということ!
明日からでも、今日からでも、今からでもできるのです。
一人一人の意識が、周りを変えていきます。
何も企業や国だけが頑張ることではないのです。
少しでも、SDGsの認知、広がりに貢献できれば幸いです。
SDGs以外にも、環境に関するお話を書いています。また昨今、クリーンビューティーを謳うコスメが登場しています。クリーンビューティーも要チェックです。
どの環境問題も、目をそらして良い問題ばかりではありません。
みんなで解決、改善していかなくてはならない問題ばかりです。
いつもは、化粧品に関して、色々記事にしています。そちらも読んでいただけると幸いです。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。