どうも、化粧品開発者のあひるです。
先日、「【化粧品の基礎知識】界面活性剤の特徴と役割」という記事で、界面活性剤の役割について、お話させてもらいました。
今回は、前回の内容も含め、もう少し掘り下げた内容をお話しようと思います。
覚えておいてほしいのは、刺激性についてです。
カチオン活性剤の刺激の強さです。
トリートメントを使用されている方が多いと思いますが、使用した跡は、十分に洗い流すよう心がけてください。
洗い流しが不十分だと、頭皮が、背中が荒れたりしてしまいます。
せっかく良い商品を使用しても、それでは意味がありませんからね。
界面活性剤の種類
界面活性剤には、いくつか種類があります。
先日お話した「役割」によって、界面活性剤の種類も異なってくるのです。
では、どんな種類があるのでしょうか?
大きく分けて、2つの種類に分類されます。
- イオン性界面活性剤
- ノニオン(非イオン)性界面活性剤
これは、水に界面活性剤を溶かしたときに、
イオンになるか、イオンならないか、で分類しています。
イオンってなんだよ?って感じですよね?
簡単に言うと、
イオンとは、その成分を水に溶かしたときに、マイナス(ー)、もしくは、プラス(+)に帯電することを言います。
塩を思い浮かべてみてください。
塩の化学式は、NaCl
これを水に溶かすと、Na+とCl-になります。
中学生の頃、習ったと思います。
これを、イオンになると言うのです。
界面活性剤も水に溶かすと、
- 界面活性剤(ー)になる
- 界面活性剤(+)になる
- はたまた、何も変化しない
に分かれるのです。
水に溶かして、
- (ー)になるもの
- (+)になるもの
これらを総称して、イオン性界面活性剤と呼ぶのです。
一方、
水に溶かしても、(ー)や(+)にならない活性剤を、ノニオン(非イオン)性界面活性剤と呼びます。
ここまで、大丈夫でしょうか?
もう少し、詳しく見ていきましょう。
イオン性界面活性剤は、さらに3種類に分類されます。
- アニオン性
- カチオン性
- 両性
よくわからない言葉が並んでいますね。
では、1つずつみていきましょう。
アニオン性活性剤
アニオンとは、別名、陰イオンと呼びます。
陰イオン界面活性剤ということですね。
陰イオンとは、(ー)の電荷を持つということです。
つまり、水に溶かしたとき、(ー)になるのが、アニオン性界面活性剤です。
例えば、
- ラウレス硫酸Na(洗浄力、刺激性が強い成分)
- ラウロイルメチルアラニンNa(アミノ酸系界面活性剤)
などが挙げられます。
アミノ酸系界面活性剤とは、界面活性剤の構造に、アミノ酸が含まれている成分のことです。
この手のタイプは、洗浄力がマイルド、低刺激性であり、お肌が弱い方でも使用できる成分です。
- 洗浄剤
これがメインの役割です。
シャンプー、ボディソープソープ、洗顔などに、用いられることが多い活性剤です。
カチオン性活性剤
カチオンとは、陽イオンのことです。
つまり、陽イオン界面活性剤です。
水に溶かすと、(+)の電荷をもつ界面活性剤がカチオン活性剤です。
例えば、
-
ステアラルコニウムクロリド
-
ベヘントリモニウムクロリド
などが挙げられます。
カチオン活性剤の特徴
-
帯電防止
-
柔軟性
-
殺菌性
トリートメント、ヘアパックなどに用いられる成分です。
トリートメントの後に、髪がサラサラするのは、この成分のおかげです。
また、タオルなどを、ふんわり洗い上げる成分です。
両性活性剤
これは、(+)でも、(ー)でも、どちらにでも帯電する活性剤のことです。
溶かす水の性質によって、帯電の仕方が変わる活性剤です。
ただの水に溶かした場合は、電荷は帯びず、何もなしです。
日和見菌みたいな感じです(笑)
例えば、
-
ラウラミドプロピルベタイン
-
水添レシチン
などが挙げられます。
両性活性剤の特徴
-
洗浄剤
-
乳化剤
シャンプーやボディソープ、乳液やクリームにと、化粧品全般に使用されます。
ノニオン活性剤
最後にノニオン活性剤について、お話します。
今までの活性剤と異なり、水に溶かしても、(+)や(ー)にならないタイプです。
環境に全く左右されない成分ですね。
例えば、
-
ミリスチン酸ポリグリセリル-10
-
アラキルグルコシド
などがあります。
ノニオン活性剤の特徴
-
乳化剤
-
可溶化剤
上記として、主に使われる成分です。
乳液やクリーム、クレンジングなど、幅広く使用される成分です。
界面活性剤の刺激性
それぞれの活性剤の特徴などをお話しました。
では、その刺激性はどうなのでしょうか。
一般的に、界面活性剤の刺激性は、
ノニオン性 < 両性 < アニオン性 << カチオン性
となります。
ノニオン性は、イオン化しない。イオン化しない成分ほど、お肌には優しいのです。
なぜでしょうか?
イオン化によって、その成分は、帯電しますよね?
その帯電した(ー)や(+)は、お肌に触れると、お肌へと乗り移ります。
静電気のバチバチ、体験したことありますよね?
そんなイメージです。
お肌へ乗り移った(ー)や(+)は、決して良いものではなく、お肌へのストレスとなります。
上記理由が、刺激性の原因となるのです。
アニオン性に比べて、カチオン性の方が、圧倒的に刺激があります。
なぜなら、(ー)のアニオンより、(+)のカチオンの方が、皮膚吸着性が高いのです。
つまり、皮膚に残りやすいことになります。
皮膚残存性と言ったりします。
皮膚に残りやすいと、それだけ刺激になる回数も増えることになるのです。
ですから、カチオン性の方が、圧倒的に刺激性が強いのです。
最後に
少し掘り下げてみた、界面活性剤のお話。
大きく分けて、アニオン性、カチオン性、両性、ノニオンがあります。
それぞれ特徴があり、得意とする作用があります。
難しいと感じる方も少なくないかもしれません。
化粧品=界面活性剤、と言われるほど、界面活性剤の理解は、化粧品の理解に直結します。
是非、正しい知識を身に付けて、良い商品を選べるようにしましょう!!
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また、個人的なランキングページも作成しています。良ければ御覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。