あひるの化粧品と戯れる日記

化粧品開発者が化粧品やそれに関する知識、情報などを発信していくブログです。たまに無関係なことも書きます。

【意味あるの?】ホットクレンジングジェル(マナラ)

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どうも、あひるです。
 
ホットクレンジングゲル、有名ですよね?
お使いになられた方も多いと思います。
売れましたからね・・・。
 
今回は、ホットクレンジングゲルについてお話しようと思います。
 
 
 

結論

クレンジングジェルをホットにする意味は全くなく、そのせいで、クレンジング本来の役割を果たしていません。
使用しないことを推奨します。
 
 
 

ホットクレンジングゲル

ホットクレンジングゲルを一番最初に始めたのは、マナラの商品だと思います。
発売するやいなや、飛ぶ鳥を落とす勢いで売れていきました。
2018年6月時点で1000万本、モンドセレクション金賞も獲っています。
ちょっとしたブームにもなっていたと思います。
 
それが売れるもんだから、他社もこぞってマネをして、気がつけば、あちこちのメーカーからホットクレンジングゲルやそれに近い商品が多数出されている状態となっていました。
 
今も、ドラッグストアやバラエティショップへ行けば、そのコーナーがあったりしますね。
発想は大変面白いものです。
クレンジングする際に、勝手にポカポカ、冬場にはありがたい商品かもしれません。
ですが皆さん、なぜ暖かくなるのか、ご存知でしょうか?
 
 
 

マナラ ホットクレンジングゲル

マナラ ホットクレンジングジェル 外観
マナラ ホットクレンジングジェル 中身
一番有名な商品ですよね。
使用感は、こってりジェル。
かなり濃厚な使用感です。
つけっぱなしじゃないので、使用感は対して問題にはならないです。
塗り拡げていくと、ポカポカしてきますね。
これが、ホットクレンジングゲルたる所以です。
 
クレンジングなので、実験です。
黒マジックで、●を書きます。
この●が、どの程度消えるかで、その商品のクレンジング力を図ろうというものです。
結果は、こちら。
マナラ ホットジェルクレンジング 実験前
マナラ ホットジェルクレンジング 実験後
あまり消えないですね・・・。
そうなんです。
ホットクレンジングジェルは、クレンジング力が弱いのです。
以前お話したように、ジェル系のクレンジングは、クレンジング力が弱くなる傾向にあります。

www.ahiru-nonnbiri-blog.work


ですが、それにしても、マナラの商品はクレンジング力が弱い・・・。
なぜでしょうか?
 
その前に全成分です。
マナラ ホットクレンジングジェル

グリセリン、トリエチルヘキサノイン、オリーブ果実油、ラウリン酸PEG-9グリセリル、ステアリン酸グリセリル、(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル-10、フウチョウソウ葉エキス、アーチチョーク葉エキス、メドウフォーム油、パパイン、プロテアーゼ、α-アルブチン、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、加水分解コラーゲン、マンダリンオレンジ果皮エキス、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム、ヒアルロン酸Na、グルコノバクター/ハチミツ発酵液、ユズ果実エキス、チャ葉エキス、セレブロシド、オウゴン根エキス、ノイバラ果実エキス、ローヤルゼリーエキス、メマツヨイグサ種子エキス、セイヨウトチノキ種子エキス、ヘマトコッカスプルビアリス油、ダイズ種子エキス、プエラリアミリフィカ根エキス、アスコルビン酸Na、ザクロ果実エキス、ハチミツ、オリーブ油脂肪酸エチルヘキシル、スクワラン、ニンジン根エキス、オプンチアフィクスインジカ茎エキス、ミツロウ、ダイズ油、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、DPG、ポリグルタミン酸、アルギン酸Na、シアノコバラミン、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、ステアリン酸PEG-5グリセリル、ステアリン酸PEG-15グリセリル、加水分解酵母エキス、ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコース、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、クエン酸、クエン酸Na、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸K、トコフェロール、イソステアリン酸ソルビタン、リン酸、BG、ポリソルベート60、ペンチレングリコール、リン酸Na、PEG-60水添ヒマシ油、リモネン、水、フェノキシエタノール

 
成分多いなー。
ここまで多いと、読む気がなくなるよー(笑)
 
注目すべきは、一番最初がグリセリンということです。
そして、水は下から2番目
※下から2番目だからといって、配合量が下から2番目に少ないわけではありません。
詳しくは、こちら。
トリエチルヘキサノイン、オリーブ果実油は、オイル成分です。
メイクはオイルですから、メイクを浮かせる目的ですね。
 
ラウリン酸PEG-9グリセリルは、界面活性剤です。
この場合、メイクを落とす役割を担います。
 
ステアリン酸グリセリル、(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル-10は、界面活性剤です。
こちらは、クレンジングジェルの乳化を担います。
マラナのジェルは、白く濁って(乳化)ますよね?
メイクを落とすための成分ではありません。
ここまでが1%以上です。
多数の成分が配合されていますが、結局のところ、1%以下なのです。
 
 
 

どうして暖かくなるのか?

暖かくなる理由
  • グリセリンの発熱性質
  • グリセリンによる肌密閉
グリセリンは、水に触れると、暖かくなる性質を持っています。
面白いですね。
ホットクレンジングジェルは、まさにその性質を上手く利用したジェルなのです。
ですので、水の配合量が極端に少ないのです。
ジェルの中に、水がたくさん存在すると、ジェルを製造する段階で、発熱して終わってしまいますから。
グリセリンがお肌に触れると、お肌の水分と反応します。
それによって、熱が生まれるのです。
また、グリセリンは、ねっとりとした使用感です。
そのねっとりしたグリセリンが、肌の上にフタをします。
熱が逃げにくい状態です。
これも、暖かく感じる要因の一つとなります。
 
この温感作用、お肌が弱い方は、要注意です。
肌刺激につながるからです。
使用している最中に、ピリピリ、ヒリヒリする可能性があります。
お肌が弱い方は、使わない方がよろしいかと思います。
 
グリセリンについては、こちらもご参照ください。
 
 

クレンジング力が弱い理由

どうして、こんなにもクレンジング力が弱いのでしょうか。
単純に、界面活性剤の配合量、その他の成分とのバランスが悪いのです。
 
最も問題なのは、グリセリンの大量配合です。
暖かさを感じるには、グリセリンを多く配合しないといけません。
そうすると、他の成分の配合できる割合が少なくなるのです。
つまり、必要最低限の界面活性剤やオイルを配合できないのです。
 
暖かさ(面白さ)を求めるあまり、クレンジングジェルとしての、本当の役割を忘れてしまった。
そんな商品なのです。
本末転倒ではないでしょうか。
 
 
 

美容液成分91.3%?

マナラのホームページを見てみると、
美容成分が91.3%配合してます!
と書かれてあります。
本当でしょうか?
 
そもそも、美容成分とは何でしょうか?
・・・。
定義はありません!
つまり、メーカー側、販売する側が自由に決めていいのです。
ホットクレンジングジェルでは、グリセリンも美容成分に含めています。
そりゃそうですよ。
この暖かさを感じるのに、グリセリンが10%以下はありえませんから。
 
グリセリンって、美容成分なのでしょうか・・・?
確かに、お肌に存在する成分で、保湿剤です。
美容成分は、少々無理があるような・・・そんな気がしています。
※グリセリンなどの多価アルコール(保湿剤)を美容成分としているメーカーは多数存在しています(笑)
 
残りの8.7%が、美容成分でない成分です。
界面活性剤、防腐剤、増粘剤がそれにあたります。
やっぱり、メイクを落とす界面活性剤の配合量が少ないと思いますね。
 
 
 

最後に

いかがでしょうか。
マナラ ホットクレンジングジェルについて、お話しました。
お使いの方もいたかもしれません。
ですが、あまりオススメはしません。
メイク落ちはよくないし、お肌の弱い方には、刺激となりますから。
 
「クレンジング」と言う以上は、クレンジングとしての機能をきちんと果たしてもらいたいところです。
他にも、ホットクレンジングがありますので、注意してください。
 
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
 
 
 
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