あひるの化粧品と戯れる日記

化粧品開発者が化粧品やそれに関する知識、情報などを発信していくブログです。たまに無関係なことも書きます。

【化粧品の基礎知識】シリコーンの特徴と役割

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どうも、化粧品開発者のあひるです。

 

だいぶ増えてきました、化粧品の基礎知識シリーズ。

これを読んでもらえれば、成分のことに詳しくなれると思うので、興味ある方は是非、読んでいってください。

 

 

 

 

シリコーンとは?

シリコーンとは

シリコーンって何でしょうか?

おそらく、なんですか?って聞いても、きちんと答えられる人はそんなに多くないでしょう。

正しくは、「シリコーン」です。

一般的に「シリコン」が浸透していますが、それは間違いです。シリコンは、ケイ素だけの金属のこと指します。

言いやすい言葉が浸透するから、そうなったのでしょうか?お間違いなきよう、お願いします。まぁ、間違えたからと言って、どうこうないですが(笑)

 

シリコーンとは、ケイ素と酸素が交互に結びついた骨格を有する化合物の総称です。

基礎知識と言いながら、難しい言葉が出ます。ごめんなさい。

ケイ素って覚えていますか?中学とかで習ったと思います。

元素記号は、「 Si 」

ガラスにも含まれている元素です。

酸素はわかりますよね?

元素記号は、「 O 」

人が呼吸するのに、必要なのが、酸素ですよね?

シリコーンとは、ケイ素と酸素(-Si-O-Si-)が交互に結びついた骨格を持っている成分のことです。

(-Si-O-Si-)のことをシロキサン結合と呼びます。

全くもって、覚えなくて大丈夫です。

 

シリコーンは、熱や光にとても強く、非常に安定した成分です。

シリコーンの持つ特徴は、多岐に渡り、構造が少し違うだけで、様々な性能を表します。

その様々な性質があるがゆえに、シリコーンは、電化製品などの半導体や医薬品、コンタクトレンズにまで使用されている、私たちの生活になくてはならない成分です。

シリコーンなしでは、到底、今の生活水準を維持できません。

界面活性剤と似ていますね。界面活性剤も、なくなると大変ですからね。

 

 

 

なぜ、シリコーンは安定なのか?

完全に化学の分野になります。

シリコーンは先程も言いましたが、シロキサン結合によって形作られます。

このシロキサン結合が、非常に安定なのです。

これにより、

  • 耐熱性
  • 耐候性
  • 化学的安定性

などの特徴が見られます。

これだけ安定性が確認されているからこそ、様々な分野で使用されているのです。

安定性が高いことはわかったけれども、それが化粧品とどう関係があるのでしょうか?

 

 

 

シリコーンの配合目的

シリコーンの配合目的

化粧品でシリコーンを配合する意味、目的ってなんでしょうか?

安定性が高いからという理由だけで、配合しているわけではありません。

安定性よりは、その特異な性質が、配合する目的です。

シリコーンの特異な性質は、

  • つや感の演出
  • 摩擦軽減
  • 指通り向上

などが挙げられます。

 

シャンプー&トリートメントの後の艶感は、シリコーンによって演出されています。

また、髪を洗っている最中、髪の毛同士が摩擦で傷まないようにしてくれるのは、他でもないシリコーンです。

また、メイク品にもよく使用されます。

化粧下地、BBクリームやCCクリーム、マスカラにも配合されています。

おそらく、シリコーンが配合されていない、メイク関連商品はそう多くはないでしょう。

スキンケアにも配合されています。使用感の向上が主目的です。

シリコーンが入っていると、使用感が良くなったりします。

全部ではないですけどね。

あと、敏感肌用コスメとかにも、シリコーンは良く使用されています。

化学的に安定であり、余計な悪さをしないので、お肌が弱い方に最適な成分だったりします。植物オイルとかですと、経年劣化で、酸化したりしますが、シリコーンにその心配はないですからね。

 

 

 

 

シリコーンは4つに分類できる

シリコーンと言っても、その構造によって、役割や特性が微妙に異なります。

ノーマルな一般的なシリコーン

ジメチコンがその代表で、最もよく使用されるタイプです。

使用感向上が主目的です。ジメチコンについては、後述します。

 

揮発性シリコーン

揮発するシリコーンです。

揮発とは、蒸発するってことです。

揮発することで、ベタつき軽減などの感触改良に使用されます。

シクロメチコンやシクロペンタシロキサンなどが揮発性です。

よく、化粧下地や日焼け止めに配合されます。

 

アミノ変性シリコーン

毛髪に吸着し、サラサラ感を得るためのシリコーンです。

カチオン化されてており、プラス(+)に帯電しています。

シャンプー&トリートメントによく使用されます。

アモジメチコンがアミノ変性シリコーンに該当します。

 

ポリエーテル変性シリコーン

ジメチコンと界面活性剤を合成させた種類になります。

界面活性剤は、水にも、油にも馴染む、仲良くなる性質がありますよね?

両方の成分と仲良くなるという性質をシリコーンに取り入れたかたちになります。

つまり、水と仲良くなれるシリコーン、油と仲良くなれるシリコーン。

元々、シリコーンは油と仲が良いので、基本的には、水と仲良くなるための合成です。

シリコーン活性剤ということです。

シリコーン活性剤を用いれば、シリコーンと水だけのクリームが出来上がります。

ゲランで売られているクリームの一つがそうですよね。

あのクリームの独特な使用感はシリコーンで演出されています。

 

 

 

 

よく使用されるシリコーン

化粧品でよく使用されるシリコーンをご紹介します。

当然ですが、化粧品に配合されてある場合、「シリコーン」と記載はされません。

表示名称で、記載されます。

その名称も、似たような傾向がありますので、是非覚えてみてください。

化粧品の基礎知識シリーズでは、構造を書いています。

ですが、構造を覚える必要は全くありません。

覚えてもらっても構いませんが、当ブログを見てもらえれば、簡単にわかりますからね。

 

ジメチコン

ジメチコンの構造

最もよく使用されるシリコーンです。

構造はシンプルですが、大括弧[]でくくられた部分は、X個つながったかたちになります。

何個つながっても、ジメチコンです。

繋がった数が少なければ、使用感の軽いジメチコンに。

繋がった数が多ければ、使用感の重いぺったりしたジメチコンになります。

残念ながら、表示名称からだけでは、どのジメチコンを使用したのかは判断できません。

 

シクロペンタシロキサン

シクロペンタシロキサンの構造

環状シリコーンです。

シロキサン結合で輪っかを作っています。

揮発(蒸発する性質)を有し、生分解性も持っています。

⇒ごめんなさい。生分解性はないです。むしろ、難分解性・・・。

スキンケアよりも、メイク製品に多く配合されている成分です。

感触改良のために、配合されます。

 

シクロメチコン

シクロメチコンは、環状シリコーンの混合原料、プレミックス原料です。

混合されているのは、

  • シクロテトラシロキサン
  • シクロペンタシロキサン
  • シクロヘキサシロキサン

の3成分。

テトラは4、ペンタは5、ヘキサは6を意味します。

つまり、シロキサン結合(Si-O-)の結合が4〜6繋がって、環状(輪っか)になった成分ということです。

3成分とも、揮発性があり、メイク製品によく使用される成分です。

 

アモジメチコン

アモジメチコンの構造

アモジメチコンは、ジメチコンの末端にアミノ基(-NH2)が結合した成分です。

アミノ基は、カチオン基です。

つまり、プラスに帯電する性質を持っています。

カチオン界面活性剤と同じ性質ですね。

主に、ヘアコンディショニング、帯電防止として、ヘアケアに配合されることが多いです。

ダメージを受けた毛髪表面に吸着する作用があり、ダメージ毛をしっとりなめらかな毛髪へと仕上げることが可能です。

 

 

 

最後に

普段色々なところで使用されているシリコーン、特に化粧品で用いられている成分について、お話しました。

シリコーンの性質、特徴をきちんと理解して、化粧品選びに活かしてもら得れば幸いです。

もう少し掘り下げた、シリコーンのお話は、下記記事に書いています。

 

また、化粧品の基礎知識に関する記事は、他にも書かせてもらっています。読んでもらえれば幸いです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 
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