どうも、あひるです。
久しぶりに化粧品の基礎知識について書こうと思います。
今回は、カチオン界面活性剤です。
カチオン界面活性剤のポイント!
- カチオン界面活性剤は、水に溶けるとプラス(+)に帯電
- トリートメント、コンディショナーに主に配合
- 洗髪後のサラサラ感付与効果がある
- 刺激性は、界面活性剤の中でもトップクラス
- 重要なのは、よく洗い流すこと!
カチオン界面活性剤とは?
以前、界面活性剤での記事でも書かせてもらいました。
カチオン界面活性剤とは、水に溶かすと、プラス(+)に帯電する性質を持つ界面活性剤のことを言います。
こんな感じで、親水基がプラス(+)に帯電しているんです。
プラス(+)に帯電することで、様々な性質を持つことになります。
- 帯電防止
- 柔軟作用
- 乳化
などが挙げられます。
また、成分によっては、殺菌効果を持つものまであります。
カチオン界面活性剤の主な使用商品は、
リンス、コンディショナー、トリートメントによく配合されています。
上記3種類の違いについては、こちら。
3種類とも、白いですよね?
あれは、カチオン界面活性剤で乳化させてるんですよね。
透明なトリートメントとか、見たことないですよね?
まぁ、油分が入っているからという理由もありますけどね。
一言で、カチオン界面活性剤と言っても、実は種類があるんですよ。
以前ツイッターでもつぶやきました。
トリートメントに配合されている、カチオン活性剤
— あひる@化粧品開発者 (@ahiru_nonnbiri) 2019年10月30日
4級カチオンと3級カチオンに分類されます
刺激性は、4級>3級
4級:〜クロリド、〜ブロミド
3級:〜アミン
簡単な見分け方です
肌が弱い人は、3級もしくは、カチオンフリーを探すのも良いかと😌#化粧品あれこれ
3級カチオンは、4級より刺激が緩和ですが、肌に対して低刺激ではない
— あひる@化粧品開発者 (@ahiru_nonnbiri) 2019年10月30日
3級カチオンがダメな人もいる
4級が使用される理由の一つは、髪のコンディショニング作用が良いから
3級だと、4級より単純に劣ることが知られています
そこを上手に処方組みできるかは、開発者の腕次第ですね😌#化粧品あれこれ
第4級と第3級ですね。
はてさて、何のことなのでしょうか?
第4級カチオンとは?
第4級カチオン
カチオンの構造によって、呼び方が変わるんです。
構造は下記の通りです。
覚える必要は全くないです。
こんな構造、形してんだなー、くらいでOKです。
これが基本的な構造です。
Rのところは、色々変化し、名称が変わるんですよね。
第4級カチオンは、図にも書いていますが、プラスに帯電しています。
プラスに帯電しているからこそ、毛髪に吸着し、コンディショニング性能を表すことになります。
また、プラスに帯電しているからこそ、毛髪だけでなく、皮膚にも吸着する性質があるんです。
ですので、きちんと洗い流さないと、皮膚へ残留し、肌荒れの原因となり得るのです。
第4級カチオンの主な成分と見分け方
- ベヘントリモニウムクロリド
- ステアルトリモニウムクロリド
- ステアルトリモニウムブロミド
- クオタニウム-33
ご覧の通り、第4級カチオンは、
〜クロリド、〜ブロミド、クオタにウム-数字
などがよく使用されています。
クオタニウムは、第4級を意味する「quaternization」からきています。
基本的には、この見分け方でOKかと思います。
第3級カチオンとは?
第3級カチオン
一方、第3級カチオンの構造は下記の通りです。
第4級カチオンと見比べると、第3級カチオンはプラス(+)がないですよね。
このままでは、プラスがないんですよね。
中和をすることで、プラス(+)に帯電し、コンディショニング性能を持つことになるんです。
ですので、第3級カチオンを使用する場合、必ず中和を行う必要があり、全成分に酸性成分(グルタミン酸やクエン酸など)が表示されることになります。
※厳密には、中和後を第3級カチオン、中和前は第3級アミンと言います。
ややこしくなるので、全て第3級カチオンとしています。
ご了承ください。
第3級カチオンの主な成分と見分け方
- ステアラミドプロピルジメチルアミン
- ベヘナミドプロピルジメチルアミン
こちらもわかりやすいですね。
〜アミン
となれば、基本的に第3級カチオンです。
カチオン成分の例外
界面活性剤の「乳化」という能力を持たず、帯電防止の能力だけを持つ成分が存在します。
最近よく使用されています。
刺激性も、カチオン界面活性剤よりはるかに低いです。
むしろ低刺激の部類かと。
ですので、スキンケアにも使用されているんです。
配合することで、使用後の感触が飛躍的に改善するんですよ。
この機会に、こんなのもあるんだなーって覚えてもらえれば幸いですね。
- ジヒドロキシプロピルアルギニンHCl(これは、両性成分)
- ポリクオタニウム-51
- ポリクオタニウム-61
- アルキル(C12,14)オキシヒドロキシプロピルアルギニンHCl(これは、両性界面活性剤)
一例ですが、よく使用されているのを見る成分ですね。
ちなみに、最近よく聞くようになった「ノンカチオン」や「カチオンフリー」は、大概がカチオン界面活性剤不使用という意味です。
※印で、小さく書かれています(笑)
カチオン界面活性剤がフリーなだけであって、カチオンがフリーということではありません。
実際、カチオン成分は配合されています。
カチオンが入っていないと、洗髪後、髪がギシギシ、ゴワゴワです。
カチオンが全く入っていないんだ!なんて思わないようにしてくださいね。
ツイッターでも言うてましたね。
シャントリで俗に言う、カチオンフリーとは、
— あひる@化粧品開発者 (@ahiru_nonnbiri) 2019年10月30日
カチオン活性剤がフリーってこと
代わりに、カチオン性ポリマーが入ってます
ポリクオタニウム-○
がその代表例かと
○には、数字が入ります
カチオン活性剤が無理な方は、そっち系を探すといいですね😌#化粧品あれこれ
刺激から皮膚を守るには
カチオン界面活性剤は、皮膚への刺激になります。
刺激性は、第4級>第3級です。
当然、コンディショニング能力も、第4級>第3級となります。
今まで、第4級を使用していた方が、第3級に変えると、物足りなく感じるかもしれませんね。
コンディショナー類を使用する際は、頭皮へ付けるのはNGです。
まれに頭皮にベッタリつける方いますが、やめておいた方がいいですよ・・・。
コンディショナーなどは、髪につけるものです。
つけた後は、必ず洗い流します。
十分に洗い流すことが必要です。
皮膚に残ってしまわないように、身体も十分に洗い流してください。
これがカチオン界面活性剤から、皮膚を守る最善の方法ですね。
第4級カチオンは、確かに刺激性が高いですが、上手に使えば刺激になることも少ないでしょうし、必ず刺激になるとは限りません。
コンディショニング性能を優先するか、刺激性を優先するかは、ご自身でご判断いただければと思います。
最後に
カチオンと呼ばれる成分について、ご紹介しました。
この記事を読んで、少しでも理解が深まれば幸いです。
界面活性剤のもっと基礎は、こちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。