どうも、あひるです。
久しぶりに化粧品の基礎知識について書こうと思います。
今回は、カチオン界面活性剤です。
- カチオン界面活性剤は、水に溶けるとプラス(+)に帯電
- トリートメント、コンディショナーに主に配合(雑貨だと柔軟剤)
- 洗髪後のサラサラ感付与効果がある
- 皮膚刺激性は、界面活性剤の中でも一番高い部類
- 重要なのは、よく洗い流すこと!
カチオン界面活性剤とは?
以前、界面活性剤での記事でも書かせてもらいました。
カチオン界面活性剤とは、水に溶かすと、プラス(+)に帯電する性質を持つ界面活性剤のことを言います。
こんな感じで、親水基がプラス(+)に帯電しているんです。
プラス(+)に帯電することで、様々な性質を持つことになります。
- 帯電防止
- 柔軟作用
- 乳化
などが挙げられます。
また、成分によっては、殺菌効果を持つものまであります。
カチオン界面活性剤の主な使用商品は、
リンス、コンディショナー、トリートメントによく配合されています。
上記3種類の違いについては、こちら。
3種類とも、白いですよね?
あれは、カチオン界面活性剤で乳化させてるんです。透明なトリートメントとか、見たことないですよね?まぁ、油分が入っているからという理由もありますけどね。今後、新しい界面活性剤や、それに類するものが開発された場合、透明なトリートメントが市場に出回るかもしれませんが、今のところ、そんなお話は聞いたことがないです。
一言で、カチオン界面活性剤と言っても、実は種類があるんですよ。
第4級と第3級ですね。はてさて、何のことなのでしょうか?
第4級カチオンとは?
第4級カチオン
カチオンの構造によって、呼び方が変わるんです。
構造は下記の通りです。
覚える必要は全くないです。こんな構造、形してんだなー、くらいでOKです。
これが基本的な構造です。Rのところは、色々変化し、名称が変わるんですよね。
第4級カチオンは、図にも書いていますが、プラスに帯電しています。
プラスに帯電しているからこそ、毛髪に吸着し、コンディショニング性能を表すことになります。
また、プラスに帯電しているからこそ、毛髪だけでなく、皮膚にも吸着する性質があるんです。
ですので、きちんと洗い流さないと、皮膚へ残留し、肌荒れの原因となり得るのです。
よく、背中にブツブツができる方がいらっしゃいますが、コンデショナーやトリートメントをきちんと流さないことで、背中に残り、ブツブツになったしまう、といった可能性がありますので、ご注意を。もちろん、それだけが理由ではなく、ただ単に肌荒れってパターンもありますが、原因の一つになったりもしますので、きちんと洗い流すことを忘れないようにしてください。
第4級カチオンの主な成分と見分け方
- ベヘントリモニウムクロリド
- ステアルトリモニウムクロリド
- ステアルトリモニウムブロミド
- クオタニウム-33
ご覧の通り、第4級カチオンは、
〜クロリド、〜ブロミド、クオタにウム-数字
などがよく使用されています。
クオタニウムは、第4級を意味する「quaternization」からきています。基本的には、この見分け方でOKかと思います。
ちなみに余談ですが、ベヘンやステアルは、親油基の長さを表しているのですが、ステアルより、ベヘンの方が、コンディショニング能は高い傾向にあります。
クロリドとブロミドですと、ブロミドの方が、毛髪に残りやすく、コンデショニング能も良かったりします。理由は難しいので割愛しますが、ざっくり記憶の片隅においておけば良いです。
どのカチオン活性剤を主の活性剤とするかで、トリートメントを使ったあとの髪の質感が変わります。良かったと思える商品の全成分に、特に1%以上で、どのカチオン活性剤が使用されているのか、確認していくのも面白いかもしれませんね。
第3級カチオンとは?
第3級カチオン
一方、第3級カチオンの構造は下記の通りです。
第4級カチオンと見比べると、第3級カチオンはプラス(+)がないですよね。
このままでは、プラスがないんですよね。
中和をすることで、プラス(+)に帯電し、コンディショニング性能を持つことになるんです。
ですので、第3級カチオンを使用する場合、必ず中和を行う必要があり、全成分に酸性成分(グルタミン酸やクエン酸など)が表示されることになります。
※厳密には、中和後を第3級カチオン、中和前は第3級アミンと言います。ややこしくなるので、全て第3級カチオンとしています。ご了承ください。
第3級カチオンの主な成分と見分け方
- ステアラミドプロピルジメチルアミン
- ベヘナミドプロピルジメチルアミン
こちらもわかりやすいですね。
〜アミン
となれば、基本的に第3級カチオンです。
カチオン成分の例外
界面活性剤の「乳化」という能力を持たず、帯電防止の能力だけを持つ成分が存在します。最近よく使用されていますね。刺激性も、カチオン界面活性剤よりはるかに低いです。むしろ低刺激の部類かと。カチオン活性剤は、単に分子量が小さく、皮膚浸透性が高い側面があります。それ故、刺激になったりするわけです。
カチオン活性剤以外のカチオン成分は、スキンケアにも使用されているんです。
配合することで、使用後の感触が飛躍的に改善するんですよ。
この機会に、こんなのもあるんだなーって覚えてもらえれば幸いですね。
- ジヒドロキシプロピルアルギニンHCl(これは、両性成分)
- ポリクオタニウム-51
- ポリクオタニウム-61
- アルキル(C12,14)オキシヒドロキシプロピルアルギニンHCl(これは、両性界面活性剤)
一例ですが、よく使用されているのを見る成分ですね。
ちなみに、最近よく聞くようになった「ノンカチオン」や「カチオンフリー」は、大概がカチオン界面活性剤不使用という意味です。
※印で、小さく書かれています(笑)
カチオン界面活性剤がフリーなだけであって、カチオンがフリーということではありません。
実際、カチオン成分は配合されています。カチオンが入っていないと、洗髪後、髪がギシギシ、ゴワゴワです。カチオンが全く入っていないんだ!なんて思わないようにしてくださいね。
刺激から皮膚を守るには
カチオン界面活性剤は、皮膚へに対して、刺激性があります。
刺激性は、第4級>第3級です。
当然、コンディショニング能力も、第4級>第3級となります。
今まで、第4級を含んだトリートメントを使用されていた方が、第3級のトリートメントに変えると、毛髪のコンデショニング、サラサラ感が物足りなく感じる可能性は、十分にあります。
コンディショナー類を使用する際は、頭皮へ付けるのはNGです。
まれに頭皮にベッタリつける方いますが、やめておいた方がいいですよ・・・。コンディショナーなどは、髪につけるものです。
先ほども書きましたが、カチオン活性剤は、皮膚刺激になり得る成分です。
つけた後は、必ず洗い流しましょう。それも十分に洗い流すことが必要です。皮膚に残ってしまわないように、身体も十分に洗い流してください。これがカチオン界面活性剤から、皮膚を守る最善の方法ですね。
まぁ、使わないって選択肢もあるかもしれませんが、トリートメントを使わない髪の毛って、やっぱり今ひとつ物足りない感じ、パサついたり、ごわついたり、静電気で広がったり、と色々デメリットもありますので、個人的には、使う方をオススメします。
第4級カチオンは、確かに刺激性が高いですが、上手に使えば刺激になることも少ないでしょうし、必ず刺激になるとは限りません。
コンディショニング性能を優先するか、刺激性を優先するかは、ご自身でご判断いただければと思います。
最後に
カチオンと呼ばれる成分について、ご紹介しました。この記事を読んで、少しでも理解が深まれば幸いです。
界面活性剤や、別の成分の基礎的なことも書いていますので、是非参考にしていただければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。