どうも、あひるです。
今回は、少し難しいお話になります。
化粧品関連の話ではあるので、頭の片隅に置いておくのも良いかと。
世界の流れは、持続可能、サステナビリティへと突き進んでいますからね。
皆様も少しだけ、環境について考えてみましょう。
RSPOのポイント!
- RSPOとは、Roundtable on Sustainable Palm Oil
- 地球環境に対する影響を極小化し、持続可能なパーム油の生産を行うことが重要
- 一般消費者とは、あまり関係ないかも
- 認証マークもちゃんとある
RSPOとは?
RSPOについて
RSPOとは、Roundtable on Sustainable Palm Oilのこと。
訳は、「持続可能なパーム油のための円卓会議」です。
なんのこっちゃ?って感じですね。
パーム油や大豆の生産が、生産地において、環境、社会問題を引き起こしていることがあるんです。
- 生産地を広げようと、森林破壊
- 生産地による土壌汚染
- 生物多様性の減少
- 労働搾取
- 児童労働
などなど。
それらの問題に待ったをかけるためのものが、RSPOです。
地球環境や人の生活に配慮しつつ、安定的にパーム油を生産、供給できるようにしていきましょう!
という団体のことですね。
RSPO 8つの原則
RSPOでは、8つの原則を定めています。
- 透明性へのコミットメント
- 適用法令と規則の遵守
- 長期的な経済・財政面における実行可能性へのコミットメント
- 生産及び搾油・加工時におけるベストプラクティス(最善の手法)の採用
- 環境に対する責任と資源及び生物多様性の保全
- 農園、工場の従業員及び、影響を受ける地域住民への責任ある配慮
- 新規プランテーションにおける責任ある開発
- 主要活動分野における継続的改善へのコミットメント
どれも重要なものばかり。
WWFをご存知ですか?
WWFって知っていますか?
このマーク、見たことないですかね?
ティッシュとかについてたりしますよね?
WWFとは、環境保全に取り組む公益財団法人です。
World Wide Fund for Nature、世界自然保護基金のこと。
生物多様性を守り、人の暮らしが自然環境や野生生物に与える負荷を小さく、人と自然が調和して生きられる未来を目指す団体ですね。
WWFは、RSPOの設立を支援し、現在もその普及に取り組んでいる団体でもあります。
化粧品とパーム油
パーム油と化粧品って、どんなつながりがあるかご存知ですか?
そもそもパーム油とは?
パーム油とは、アブラヤシの果肉から得られる油脂で、パーム核油は果実の核を圧搾して得られる油脂です。
パーム油は、化学的に安定性が高く、加工食品などによく使用されています。
パルミチン酸が主の脂肪酸組成なので、酸化安定性が高いんですよね。
脂肪酸については、こちら。
また、原料単価が安価なため、使用量は、右肩上がり。
地球全体で消費される植物油脂の3分の1は、パーム油です。
そう考えると、パーム油ってめちゃ大事ですね。
化粧品とパーム油
化粧品でも、パーム油は使用されています。
パーム油とアルカリ成分で、石けんを作ったり、脂肪酸なども、パーム油から精製し、得ていたりします。
その脂肪酸は、界面活性剤の粗原料として使用されます。
界面活性剤に使用されてる=化粧品のほとんどに入っている
といった感じ。
もちろん、界面活性剤に使用される脂肪酸の全てが、パーム油から得られているわけではありません。
ヤシ油からのものもあります。
RSPO認証は4種類
RSPO認証には、大きく2つに分けられます。
生産段階での認証
生産現場の認証になりますので、日本では取得されることはない認証です。
日本でパーム油作ってないですからね。
サプライチェーン認証(SCCS認証)
認証パーム油を使用して、製品を取り扱う場合の認証で、企業はこちらの認証を取得することになります。
SCCS認証は、さらに4種類に分かれます。
サプライチェーン認証モデル
- アイデンティティプリザーブド(IP)
認証された生産現場から最終製品製造段階に至るまで完全に他のパーム油と隔離され、どの生産農園から得られたのかが特定できる認証。
- セグリゲーション(SG)
複数の認証農園から得られた認証油
IPは、一つの認証農園に対し、SGは複数。
生産農園を特定することはできない。
- マスバランス(MB)
認証農園からの認証油が流通の過程で、他の非認証油と混合されるパターン。
購入した認証農園とその数量は保証される。
- ブックアンドクレーム(B&C)
この認証は、実際に認証パーム油が動くことはないです。
上記3つとは、完全に別枠ですね。
物理的な認証油の移動を伴う3つの方式とは異なり、認証油の証券が生産者と最終製品製造者、販売者との間でオンライン取引されるモデルで、グリーン電力類似の方式といえます。
これによりサプライチェーンの認証油流通体制が未整備で調達困難な場合でも、認証生産者を直接的に支援することが可能になります。
ただし、この方式は将来的に認証油だけの取引が可能になるまでの間の暫定的な仕組みとして位置づけられています。
上記からわかるように、認証油を採用するのは、かなりハードルが高い、というか、メンドクサイです。
が、RSPOへ参加する企業は、年々増加しています。
資生堂、花王、ライオンなど、メーカーもですが、原料商社や原料メーカーも参加しています。
当然ですが、原料メーカーが参加してくれないと、化粧品メーカーは、参加することが難しくなります。
一般消費者への影響
はっきり言って、何も関係ないです(笑)
企業側、商品を作る側、パーム油を使用する側の問題なので。
ただ、今後製品に認証マークが付いているものが出てくるかと思います。
認証マークは、こちら。
そうなったときは、この企業、ちゃんとしてるんだなって目で見てあげてください。
オーガニック認証など、〇〇認証は、割と簡単に取得できますが、RSPOの認証はめちゃくちゃ大変です。
一企業だけでなく、かなりさかのぼって認証取得をしなければならないからです。
その大変さは、オーガニック認証の比ではないんですよね・・・。
でも、こういった環境対策に乗り出す企業さんは、本当にすごいことだと思っています。
最後に
RSPO、ご理解いただけましたでしょうか。
お話がややこしいですが、
環境に配慮した団体、認証
ってことを覚えていてもらえればと思います。
いずれニュースなんかでも、聞く日がくるかと。
というか、ちょこちょこ出てます。
五輪関連でニュースに出てましたしね。
環境配慮は急務ですね。
環境系の記事については、いくつか書いています。
また昨今、クリーンビューティーを謳うコスメが登場しています。クリーンビューティーについては、「【クリーンビューティーって何?】化粧品業界、次なるトレンド!?」という記事で書いています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。