どうも、化粧品開発者のあひるです。
ものすごく今更ですが、お肌に関する基本的なことについて、全く説明を設けていなかったので、書いていこうと思います。ちょっと難しいかもですが、覚える必要はありません。わからなくなったとき、皮膚って何だっけ?となったときに、読んでもらえれば幸いです。
- 皮膚は3層構造(表皮、真皮、皮下組織)
- 化粧品が作用して良いのは、表皮の角層まで
- 美肌への一歩は、角層を潤すことから!
お肌(皮膚)とは?
お肌は、人の全身を覆っているもので、臓器でもあります。意外ですが、皮膚は臓器という位置づけなんですよ。当然ですが、皮膚がないと、人間生きていけません。
私達のとって、一番身近で、一番重要な器官、臓器です。
外部からの様々な刺激から身体を守り、身体全体の調和、バランスを取っています。
皮膚(表皮)のめくれたところって、刺激に対して過敏になりますよね?そんなことがあると、つくづく皮膚の重要性を認識させられます。
ちなみに、皮膚の面積は、畳1枚分くらいです。
皮膚の機能
皮膚の機能、働きをご存知でしょうか?
- 微生物などから身体を守る
- 外的刺激の緩和
- 体温調節
- 水分の保持
などが挙げられます。
どれも、人が生きていく上で欠かせない、欠かすことのできない機能です。
皮膚があって当たり前と思っている方も多いと思いますが、先天的に皮膚が弱い、ないなどの病気もあり、そういう方たちは、大変な苦労があります。
今ある皮膚が当たり前にある、と思うのではなく、大事にしていくことを心がけてください。それが、美肌への大きな一歩かと思います。
皮膚の構造
皮膚は大きく分けて、3つに分けることができます。
上から(外側から)順に、表皮、真皮、皮下組織です。
皮がめくれるなんて言うのは、表皮のことですね。
では、各層の特徴を見ていきましょう。
表皮
表皮はものすごく薄いです。厚さの平均が0.2ミリです。これだけ薄いにも関わらず、我々にとってはとても重要な器官です。表皮がボロボロ、役に立たないとなると、人にとっては、苦痛でしかないでしょう。
表皮はさらに、外側から、角層、顆粒層、有棘層、基底層に分けられます。
基底層から細胞が分裂、分化し、どんどん積み上がっていきます。それが外へ外へと押し上げられ、角層となります。
最終的には、垢(アカ)となって剥がれ落ちる、というのを繰り返されています。
この一連の流れを「ターンオーバー」と呼んでいますよね。だいたいですが、一ヶ月程度とされています。年齢を重ねると、どんどん遅くなる傾向にあります。
ちなみに、ターンオーバーは、早くても遅くても良くはありません。早すぎると、敏感肌へと足を踏み入れてしまいますので、意図的に早くしようなどという考えは肌荒れに繋がりますので、十分ご注意を。
角層
一般的に、「皮」と呼ばれます。角質層とも呼びます。セラミドなどの細胞間脂質は、角層に存在します。セラミドなどが規則正しく、何層にも重なり合い、「ラメラ構造」を形成します。このラメラ構造がとても重要なので、ラメラを謳ったコスメが複数展開されているのです。
厚さは約0.02ミリ。ラップの薄さ程度と言われています。ですが、この薄さが、バリア機能、保湿機能に重要な役割を果たしているので、軽んじてはいけませんね。
顆粒層
顆粒層も外的刺激からのバリア機能を果たしています。ケラとヒアリン顆粒と呼ばれる、ビーズのような粒が存在し、入ってきた紫外線などを跳ね返す、反射させる性質があります。
有棘層
表皮の中で、一番厚い層です。ランゲルハンス細胞があるのは、有棘層です。
ランゲルハンス細胞は、外部から侵入してきた異物を感知、知らせる働きがあります。免疫に深く関わる細胞になります。
基底層
真皮と接する部分で、表皮の最下層にあります。
メラノサイトは、基底層に存在し、このメラノサイトによって、メラニンが作られています。ここからメラニンが放出され、シミ、そばかすの原因となるのです。
シミ、そばかすについては、「【美白成分最前線】シミ発生メカニズムとその対処方法、美白成分のまとめ」という記事で書いています。
真皮
表皮の下にあるのが、真皮です。その厚さは、2ミリ。
真皮には、コラーゲン、エラスチンなどの繊維成分が存在し、お肌のハリ感や弾力を生み出す場所でもあります。繊維成分の間には、水分やタンパク質、糖類やムコ多糖類、俗に言う、ヒアルロン酸などが存在し、シワやたるみに直結する大事な成分がびっしり詰まっている器官でもあります。
線維芽細胞は、真皮に存在しており、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンなどの成分を作る役割があります。
真皮に存在する、コラーゲンやヒアルロン酸などの成分が減少すると、ハリ感がなくなったり、シワができたりと、老化に、見た目に直結する器官とも言われています。
また、当たり前ですが、表皮と密接に関係しています。表皮には、血管がなく、血管から栄養を送る事ができません。ですので、表皮は、真皮経由で栄養をもらっているのです。真皮を元気に保つことは、表皮を元気に保つことと同義ですので、真皮を大事にすることもお忘れなきように。真皮を元気に保つためにも、普段の食事、運動が重要になってきます。
ちなみに、化粧品の謳い文句で、「真皮に栄養を届ける!」なんてこと言ってたら、アウトです。薬機法違反です。化粧品で謳えるのは、表皮の角層までですので、ご注意を。あからさまに薬機法を無視している化粧品などは、絶対に買わない方が良いので、覚えておいてくださいね。
皮下組織
お肌の中で一番最下層にあります。厚さは、場所により異なり、2〜9ミリです。
意外と脂肪を多く含み、血管、神経、汗腺などを保護する役割を担っています。外部刺激、例えば、誰かとぶつかる、ボールが当たる、などといった衝撃から身を守ります。その他、保温機能、エネルギーとしての役割もあります。
皮下脂肪って聞きますよね。それは、ここの脂肪を指します。よく、皮下脂肪=肥満、的なイメージかと思いますが、一概にそうでもありませんし、皮下脂肪が適度にないと、皮膚が機能しないので、勘違いなさらぬように・・・。
最後に
皮膚に関する基本的なことを書き連ねてみました。結構難しかったかもしれません。ややこしい単語いっぱいですからね。ただ、冒頭でも説明しましたが、覚えておく必要は全くないと思います。気になったときだけ、当ブログを参考にしてもらえれば、十分です。覚えてないと行けないのは、試験のときだけですかね(笑)
カンニングのツールには使用しないでくださいね(笑)
化粧品が作用して良いと言えるのは、表皮の角層までですが、結局全部繋がっていますよね。角層が整えば、内側も徐々にではありますが、整っていくものです。
内側に関して言えば、正しい生活リズム、食生活を実行していれば、きちんと良くなっていきますので、化粧品で無闇矢鱈と内側を改善しようなんてことはしなくても良いと思います。
変な化粧品に騙されないように、注意してください。
基礎的なお話は、他にも記事にしています。良ければ、参考にしてみてください。
- 「【化粧品の基礎知識】多価アルコールの特徴と役割」
- 「【化粧品の基礎知識】界面活性剤の特徴と役割」
- 「【化粧品の基礎知識】界面活性剤の種類、特徴と役割」
- 「【化粧品の基礎知識】植物性オイルと脂肪酸、特徴と役割」
- 「【化粧品の基礎知識】脂肪酸塩の特徴と役割」
- 「【化粧品の基礎知識】シリコーンの特徴と役割」
- 「【化粧品の基礎知識】炭化水素油、鉱物油の特徴と役割」
- 「【化粧品の基礎知識】精油と香料の違い」
最後までお読みいただき、ありがとうございました。