どうも、化粧品開発者のあひるです。
最近、ちょくちょく耳にする「クリーンビューティ」。
皆様、ご存知でしょうか。
新しい化粧品ブームの一つかと思います。
本記事は、「クリーンビューティ」について、詳しく解説していこうと思います。
- 人に害を与えない、悪影響を及ぼさないもので構成
- 環境に配慮されている、次世代型コスメ
クリーンビューティーとは?
Clean Beauty、英語で書けばこの通り。発祥は当然、ヨーロッパやアメリカ、欧米です。欧州で流行るってことは、いずれ日本にもその流れが来るってことですね。既にその流れは来ており、各社色々と対応されていることかと思います。
クリーンビューティーとは、肌に不要だったり、悪影響を及ぼすおそれのある化学物質を用いないもののことを指します。
何も化粧品に限ったお話ではないんですよね。また、きちんとした定義は今のところないです。定義がはっきりしないのは、化粧品業界あるあるかもしれませんね。
ナチュラル、オーガニックとの違いは?
クリーンビューティーと、ナチュラル、オーガニックって、どう違うのでしょうか。
前述した通り、クリーンビューティーに明確な定義がない以上、明確な違いもまたないと言わざる得ないです。
ですが、昨今の流れを鑑みると、ある程度、クリーンビューティーを化粧品に落とし込むことができます。
化粧品のおけるクリーンビューティー
- 身体に害、不要な成分を含んでいない
- 天然、オーガニック由来原料を限りなく使用
- 地球環境にも配慮している
- SDGsも盛り込んでいる
大きく分けて、上記4項目が該当するかと思っています。
天然やオーガニック成分が、必ずしも、害がないかというと、そうでもありません。良くない成分も確実にあります。ですが、化粧品業界の流れから言って、クリーンビューティーに、天然、オーガニック成分を含まないってのは、現実的ではないかもです。逆に天然やオーガニック成分を含まない商品で、クリーンビューティーを謳っていたら、購入したいものです。天然やオーガニックも、欧米からの流れ、欧米では、合成成分を含んでいる商品は、見向きもされないのだとか・・・。
また、地球環境をより一層考えていかなければならない段階にきています。
廃プラ、海洋プラスチック問題は、何度もニュースで取り上げられているかと思います。化粧品容器ってプラ容器多いですからね。この辺りは、きちんとしていかないとってところです。廃プラ関連に関しては「【環境問題】廃プラ問題と化粧品業界」という記事で、詳しく書いています。
SDGs、地球環境関連になりますが、サステナビリティ、トレーサビリティもきちんとしておこないと、地球に対してクリーンとは、言い難いところです。SDGsについては、「【環境問題】SDGsと化粧品業界」という記事で詳しく書いています。
サステナビリティとは、持続可能性です。
すべての人と地球環境に配慮し、より良い環境を維持、未来へと受け継いで行きましょう!っていう意味合いになります。例えば、森林伐採。何も考えず伐採するのではなく、必要な文だけ伐採、伐採したら、きちんと別の木を植える、などして、今現在だけに目を向けるのではなく、未来ののことも考えようねってことです。
サステナビリティと関連してよく出てくる単語に、「エシカル」って言葉もあります。エシカルは、人権、地球環境に対して、良識的、倫理的、正しく行動しましょうってことです。こちらの言葉もよく出てくるので、覚えておいてください。
トレーサビリティとは、食品などによく使用されます。生産から流通、販売までその情報を追跡できることを意味します。
どこで採れた原料、成分なのか、よくわからんものは、トレーサビリティに反していることになります。おそらく、そんな化粧品はないかと思いますが、需要が高まってきているのは、事実であり、クリーンビューティーにも、トレーサビリティは強く求められることかと思います。
パーム油などでは、トレーサビリティの枠組み、制度が出来ていますので、そんな制度などが普及してくるかもしれません。パーム油関連に関しては、「【環境問題】RSPOと化粧品業界」という記事で書いています。
クリーンビューティーと、天然、オーガニックの違い
天然や、オーガニックは、化粧品の中身、成分に、天然成分やオーガニック成分が配合されていることが条件みたいなものでした。
クリーンビューティーは、天然やオーガニックに加え、地球環境にもきちんと目を向けているか?ってところが極めて重要なのでは?と考えています。
現状、明確な定義はないので、上記の4項目、どれかに該当してれば、クリーンビューティーだよ!って言える可能性は高いです。間違った方に誘導されないようにしたいですね。
クリーンビューティーを取り入れたブランド
既に、クリーンビューティーを取り入れたブランド、あるんですよね。動きがお早いことです。
athletia(アスレティア)
引用:https://www.athletia-beauty.com/jp/ja/about-us/clean-beauty/
- サステナブルな独自農園
- ISO16128を採用
- ガラス容器を採用しつつ、環境に配慮したバイオプラスチックを採用
などと言った、クリーンビューティーをコンセプトの一つにしています。まだ、世に出てきて間もないですが、注目したいところです。
ISO16128については、「【ISO16128とは?】化粧品の天然、オーガニックを示す指標」という記事で、詳しく書いています。
MAKANAI
引用:https://makanaicosmetics.co.jp/news/media/detail/220
まかないこすめから出される新ブランド。執筆時には、まだ未発売のブランドです。
- EUの化粧品規則をベースにした商品作り
- リサイクル可能なパッケージ
- 自然由来成分99%以上
などと言ったところをコンセプトにしています。個人的に、楽しみにしているブランドでもあります。
他にも色々あるかと思います。是非、ご自身でお探しになられてはいかがでしょうか。
クリーンビューティーの懸念
すごく良い流れ、流行である「クリーンビューティー」。ですが、懸念、問題点も当然あります。
明確な基準がないんですよ。
各社、各メーカー、それぞれ独自の基準でもって、「クリーンビューティー」と謳っているかと思います。これはつまり、自由以外の何者でもありません。
オーガニックコスメや、ナチュラルコスメに、基準がなかったのと同じですね。オーガニックエキスを入れただけで、オーガニックコスメと言えてしまうのと全く同じ道を辿ろうとしています。今となっては、コスモス認証などの認証団体や、ISO16128があり、一般消費者もそれなりに判別できるようにはなっているかと思いますが、クリーンビューティーは、そんな簡単に判別できないでしょう。大変ややこしいのではと思います。
コスモスなどの認証基準については、「【化粧品のウソ、ホント】オーガニック(天然)化粧品が良いと言うけれど?」という記事で、ISO16128については、「【ISO16128とは?】化粧品の天然、オーガニックを示す指標」という記事で書いています。
国ごとの基準もそうですが、国際基準を設けていかないとダメかと思います。化粧品は、輸出したり、輸入するのは、日常茶飯事。海外コスメがクリーンビューティーを謳っているからと、そのまま鵜呑みにしてしまうのも考えものです。逆もしかりです。
何を根拠に、クリーンビューティー、オーガニック、ナチュラルを謳うのか?
これはとても大事なことではないでしょうか?
変な謳い文句に騙されないよう、踊らされないようにしたいところです。
最後に
クリーンビューティーについて、色々と書いてみました。一般消費者からしたら、ややこしいことこの上ないかもです。ですが、見方によれば、環境に配慮してるコスメブランドがでるんだ!って考えれば、なんかちょっと嬉しくなります。誰しも、地球環境を悪くしたいなんて思ってないでしょうから。
ご人身が持たれているコスメ、どこまで環境に配慮されていますか?
中々難しい問題かと思いますが、一人ひとりが、少しずつ気をつければ、より良い環境になるのではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。