どうも、あひるです。
先月、週刊粧業に、
「ロート製薬 日本初 界面活性剤フリーのホットクレンジングジェル発売」という記事が掲載されました。
見出しだけ見た私は、
おぉー、活性剤フリーのクレンジングか。すごいなー。
と素直に感心したものです。
でも、どうやって、活性剤フリーを実現したんだろうか?とすごく疑問に思っていたんですよね。
そこで今回は、商品を取り寄せ、使用感、並びに成分ついて、解説していきたいと思います。
- 界面活性剤不使用を謳っているが、実はそうではない
- 温感、ホット感は、すごく心地よい
- クレンジング力もあり、ナチュラルメイクなら十分落ちる
Auna(アウナ)とは?
ロート製薬から出されている新商品ですね。
様々な肌質のお客様が「自分の肌に合うな」と感じたときの喜びや嬉しさを表現したいと考えたのが、名前の由来だそうです。
冒頭でお話しましたが、界面活性剤フリーを謳い、かつ、美容成分99%で構成されたクレンジングジェルです。
9つの無添加(防腐剤(パラベン、フェノキシエタノール)、界面活性剤、香料、着色料、鉱物油、アルコール、紫外線吸収剤、シリコン、サルフェート)にこだわり、乾燥肌、敏感肌の方にも、手にとってもらえるよう、工夫されています。
やはり気になるのは、界面活性剤配合の有無です。その辺り、じっくり解説したいと思います。
ロート製薬コスメはこちら。
Auna マイルドホットクレンジングジェル 使用感と成分分析
出典:https://www.shop.rohto.co.jp/auna/auna-index.html?
Auna マイルドホットクレンジングジェルの使用感
濁りのある不透明なジェルです。緩めのジェルで、伸びも良いですね。
上から順に、マジック、マスカラ、口紅を塗って、クレンジング力を試してみました。
結果は、マジックが若干残りましたが、マスカラ、口紅はきれいに落ちたので、クレンジング力はなかなかあるほうですね。ホットクレンジングジェルは、クレンジング力が結構悪い商品が多いのですが、アウナのクレンジングジェルはそんなことないみたいです。
洗っている最中は、ポカポカ温かく、冬場には良いんだろうなーっと思います。また、少し水を加えると、若干温度が上がり、さらにポカポカです。一瞬で冷めるんですけどね(笑)水を加えて、さらに温度が上がるのは、アウナだけでしょうか。他は、上がらなかったと記憶しています。PEG-8や、グリセレス-26とのあわせ技かなと思います。
匂いは、グレープフルーツの香りがほのかに香ります。良い香りですよね。
Auna マイルドホットクレンジングジェルの成分分析
PEG-8☆、グリセリン☆、グリセレス-26☆、水添ポリイソブテン☆、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2☆、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール☆、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー☆、パパイン♢、プロテアーゼ♢、リパーゼ♢、キハダ樹皮エキス☆、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン☆、BG☆、PG☆、1,2-ヘキサンジオール☆、カプリリルグリコール☆、PPG-13デシルテトラデセス-24☆、カルボマー☆、グレープフルーツ果皮油*☆、水☆、デキストリン、水酸化K、アルギン酸Na
☆:美容成分、♢:酵素成分、*:精油
ホットクレンジングジェルですから、全成分の一番最初が、水ではないということが、容易に想像できますね。
PEG-8は、PEG(ポリエチレングリコール)が結合した保湿成分です。ただ、分子量が小さいため、刺激の懸念がある成分でもあります(a)。洗い流す製品なので、そこまで気にしなくても良いかもしれませんね。
グリセリンは、保湿成分の多価アルコール。温感系コスメの主成分は、ほぼグリセリンです。グリセリンは、水と出会うと、発熱反応を起こします。もちろん、劇的に発熱するわけではありません。その発熱反応によって、ポカポカするなって感覚を感じることができます。
グリセレス-26は、グリセリン誘導体です。グリセリンの一部にPEGが結合した成分であり、保湿成分に分類されます。
水添ポリイソブテンは、鉱物油に分類されるオイル成分です。メイクとの馴染みを良くするために配合されているものと推察します。
トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2は、全成分上、美容成分に分類されていますね。ですが、普通に界面活性剤だと思います。確かにしっとりするし、リップなどにも用いられ、各種エステル油、植物オイル、鉱物油などとも相溶性があり、また、酸化安定性にも優れている成分ですが、界面活性剤ではない!とするのは、無理があるような・・・。リップに用いられることから、粘膜への使用が想定されていますので、安全性は高い成分ではあるんですけどね。
活性剤=危険、とお考えの方、多いかと思いますが、それは必ずしも正解ではないので、ご注意を。
ただ、メイクを落とす目的での活性剤ではなく、メイク品の粉体(酸化亜鉛や酸化チタンといった粉もの)の分散性能がかなり高いので、分散目的での配合なのかなと思ったりもしています。つまり、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2で、メイクを乳化しているわけじゃない、だから、活性剤じゃないですよーって感じでしょうか。結構無理があるような・・・。構造的にも活性剤に分類されてしかるべきですしね。
シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールは、両親媒性成分です。両親媒性成分とは、水にも、油にも溶ける成分のこと。
活性剤と同じじゃないの?
という疑問が出てくると思いますが、ちょっと難しいところです。両親媒性成分だけでは、乳化したり、洗浄作用があったりするわけではないので、まぁ、活性剤とは異なる、違うというふうにはなります。
ちなみに、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリンも、両親媒性成分です。
これら両親媒性成分は、美容液や、ブースターセラムなどによく配合されています。水にも油にも容易に溶けることから、浸透促進成分として、一役買う成分になります。もし、ブースターセラムなどをお持ちでしたら、全成分を見てみてください。結構な確率で配合されています。
また、両親媒性成分は、浸透促進だけでなく、クレンジング力向上にも役立ちます。油にも溶けますから、メイクとの馴染みもよく、水で流すことで、メイク落ちを実現できます。これら2成分は、非常に多くのクレンジングに配合されていますから、もしかしたら、お手持ちの製品にも配合されているかもしれませんね。
シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールまでが、1%を超える成分だと思います。
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーは、増粘剤です。
パパイン(タンパク質分解)、プロテアーゼ(タンパク質分解)、リパーゼ(皮脂分解)は、酵素の一種ですね。やはり昨今の酵素洗顔ブームに乗っかった作りがされています。
PPG-13デシルテトラデセス-24は、乳化剤です。こちらは完全に界面活性剤だと思います。ですので、やはり活性剤フリー表現は、誇張しすぎではないかなと思います。
公式HPでも謳われていますが、防腐剤は配合されていません。そもそも、水が主成分ではないので、防腐剤を配合しなくても、ある程度、抗菌は担保できるのです。ですが、それは不安が残ります(例えば、後々菌が発生など)ので、防腐剤の代わりになる成分はきちんと配合されています。
1,2-ヘキサンジオール☆、カプリリルグリコールです。これらは、多価アルコールの一種ですが、少量で、高い抗菌作用を示す成分です。防腐剤フリーコスメでは、よく見かける成分ではないでしょうか。
全成分を解説しましたが、やはり、「界面活性剤フリー」というのは、誇張しすぎではないかなと思います。界面活性剤の定義をどうするかで、結構変わってくるので、難しいところですが、私個人としては、活性剤フリーではないと考えています。まぁ、化粧品を扱う人でも、色々と意見が分かれるところなので、その微妙な、グレーゾーンに踏み込んだロート製薬さんを称賛するべきなのかもしれません(笑)
Auna マイルドホットクレンジングジェルのフリー項目
- エタノール
- シリコーン
- 防腐剤(パラベン、フェノキシエタノール)
- 香料、着色料
Auna マイルドホットクレンジングジェルの評価
- アットコスメ:5.7/7.0 220件
- LIPS:4.0/5.0 71件
※上記評価は、2020年10月のものです。
- 99%が美容液成分というところに惹かれた(界面活性剤不使用というコンセプトにも)
- 洗い上がりのツッパリ感なし
- 肌に乗せた瞬間の温感具合は、今までのどの温感ジェルよりピカイチ
- 濃いめのメイク落ちはちょっと悪い
どんな人にオススメ?
- ポカポカクレンジングジェルがお好きな方
- クレンジングオイル、クリームなど、油分配合系が苦手な方
最後に
アウナ マイルドホットクレンジングジェルについて、解説してみました。
界面活性剤は配合されていると、個人的には思いますので、そこは残念だなと思いますが、クレンジング力はなかなかあり、洗い上がりのツッパリ感もなく、温感を楽しめたので、良かったかなと思います。
クレンジング系コスメについては、他にも書いています。 化粧品選びの参考になれば、幸いです。
また、個人的なランキングページも作成しています。良ければ、こちらも御覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。