あひるの化粧品と戯れる日記

化粧品開発者が化粧品やそれに関する知識、情報などを発信していくブログです。たまに無関係なことも書きます。

【危険なの?】遺伝子組み換え作物は安全?

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どうも、あひるです。
マッスルマダイってご存知ですか?
肉厚マダイと呼ばれたりもします。
この間テレビでやっていました。
遺伝子(DNA)をいじって、一般的な鯛より、肉厚になるようにした鯛のことです。
 
今回は、遺伝子に関するお話です。
もちろん、化粧品との絡みもあります(笑)
遺伝子検査については、こちら。
 
 

結論

  • 遺伝子改編技術は、品種改良、遺伝子組み換え、ゲノム編集がある
  • 化粧品にも、遺伝子組み換え作物原料は使用されている
  • 遺伝子組み換え作物原料を肌に塗っても、何ら問題はない
 
 
 

遺伝子組み換えとは?

よく聞きますよね?
遺伝子組み換え作物。
遺伝子組み換え作物ってなんでしょうか?
その種が持つ遺伝子とは、異なる種の遺伝子を組み込むことです。
難しいですよね?
例えばですが、
ある病気に弱い大豆があったとします。
この病気に強い牛がいたとして、その理由が遺伝子にあるとしましょう。
牛のDNAを採取、病気に強い遺伝子だけ大豆に組み込めば、その病気に強い大豆が誕生!
簡単に言うと、こんな感じです。
 
人って、DNAいじれちゃうんですよね。
すごい!
と思う人もいれば、
怖い!
と思う人、様々ではないでしょうか?
 
 
 

遺伝子組み換え作物は安全?

遺伝子組み換え作物は安全か?

違う種から、DNAを頂戴し、改編する。
あまり生物学を学んでない人からすると、よくわからなすぎて、怖がられる、避けられるのが一般的です。
物事には、必ず、メリット、デメリットがあります。
遺伝子組み換え作物は、どうでしょうか?
メリット
  • 病気や害虫に強い作物が作れる
  • 味、風味を調整することも可能
  • 生産量が一定となり、食糧難に貢献
デメリット
  • 生態系を崩す可能性
  • 中には安全ではない作物も・・・
遺伝子をいじる=危険と感じる人もいる通り、中には、危険な遺伝子組み換えもあります。
ですが、そのような危険な作物は国が規制しています。
食卓に出回ることはないのです。
※今のところは・・・。
余談ですが、昔世間を騒がせた?青いバラは、遺伝子組み換えで作られています。
 
 
 

遺伝子組み換えと化粧品

遺伝子組み換えと化粧品

遺伝子組み換えと化粧品、どう関わっているのでしょうか?
化粧品は、生き物ではありませんので、当然関係ないですが、化粧品を構成する原料、成分は違います。
天然由来原料、成分は、大いに関係があります。
例えば、大豆由来の成分。
大豆は遺伝子組み換えされているものもある作物です。
もし、原料メーカーが分別していなければ、大豆は遺伝子組み換え作物を使用しているでしょう。
なんでかって?
  • 作物単価が安い
  • 生産量が一定
だからです。
原料供給が滞る心配がないですからね。
 
ですが、全部が全部、遺伝子組み換えではありません。
オーガニック認証を取得している化粧品は、遺伝子組み換え作物成分NGです。
もし、遺伝子組み換えが嫌いな方は、そちらを使用するのもありだと思います。
オーガニック認証を取得していなくても、GMOフリー、NonGMO、などと書かれていれば、遺伝子組み換え作物成分は、使用されていないので、目安にしてください。
GMOとは、Genetically Modified Orgasnismsの略です。
 
 
 

番外編:遺伝子操作技術

遺伝子操作技術

遺伝子組み換え作物は、嫌だ!
とする人は、多いと思いますが、品種改良はどうでしょうか?
品種改良とは、同じ種で交配を繰り返すことを言います。
例えば、
  • 病気に強く、味の悪いとうもろこし
  • 病気に弱く、味の良いとうもろこし
この2種を交配させ、
病気に強く、味の良いとうもろこしを作る
これを品種改良と言います。
ほとんど全ての作物は、品種改良がされ、今の形、味、色になっています。
広い意味で言えば、これも立派な遺伝子改編です。
 
遺伝子組み換えも、品種改良も、目指した場所は一緒です。
病気に強く、味、品質の良い作物を得られるようにすること。
その過程が異なるだけで、片方は、随分嫌われているのです。
まぁ、違う種のDNAを組み込むのだから、わからないでもないですけどね。
面白い話ですね。
 
さらにここに、第3の改編技術が加わろうとしています。
ゲノム編集です。
ややこしいですね・・・。
ゲノム編集は、意図的に遺伝子を改変し、病気に強く、味や品質の良い作物を得られる手法です。
他の2つの手法より、かなり簡単に、短時間で作物を得ることが可能です。
そして、改編の幅もかなり広いです。
例えば、カフェインを含まないコーヒー豆を狙って作れたりします。
他にも、大豆のゲノムを編集し、飽和脂肪酸の含有量が少ない大豆を作成、大豆油として、アメリカでは既に販売されているのだとか。
消費者の健康目的ですね。
飽和脂肪酸は、動脈硬化などを引き起こすと言われていますので・・・。
冒頭でお話した、マッスルマダイは、ゲノム編集によって、生み出された魚です。
 
ちなみに、ゲノム編集は、医療の場でも活躍しています。
遺伝子治療です。
残念ながら、日本は、遺伝子治療後進国ですが・・・。
難病の多くは、遺伝子異常です。
今までは、遺伝子をいじることはできませんでしたが、今では、それができてしまうのです。
まさに、神の御業、でしょうか。
遺伝子異常の箇所を、意図的に正常へと変える技術。
そう遠くない未来、遺伝病で亡くなる方がいなくなる可能性さえ秘めています。
この遺伝子治療の手法を、「CRISPR-Cas9」クリスパーキャスナインと呼ばれており、ノーベル賞確実と言われるほど、すごい技術なのです。
ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授は、iPS細胞作製の第一人者です。
iPS細胞も遺伝子をいじっていますので、遺伝子改編技術の応用例ですね。
そしてそれは、医療の現場で活躍中。
最近、目が見えなくなった患者さんに角膜(iPS細胞で作製)を移植し、目が見えるまでに回復、成功したとか。
本当にすごいです!!
 
 
 

最後に

いかがでしょうか。
遺伝子組み換えやそれに類することを書きました。
難しい!と感じる方も多かったかもしれません。
ゲノム編集は、もはや色んなところで使用されています。
食料不足の解決、病の治療などなど。
個人的には、素晴らしい技術ですから、忌み嫌わなくても良いのでは?と思っています。
これらの技術が、我々の明るい未来の一旦を担っているのは、間違いないでしょうから。
今回のポイント!
  • 遺伝子改編技術は、品種改良、遺伝子組み換え、ゲノム編集がある
  • 化粧品にも、遺伝子組み換え作物原料は使用されている(全部ではない)
  • 遺伝子組み換え作物原料を肌に塗っても、何ら問題はない
 
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
 
 
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