どうも、化粧品開発者のあひるです。
前回お話した、「【リポソームの先駆者】モイスチュアリポソーム(コスメデコルテ)」。
その際に、導入美容液と書いたのですが、今回は、その導入美容液について、少し掘り下げて、書いていこうかと思います。
- 導入美容液は必ず必要ではない
- 導入美容液を購入する場合、どのタイプに当てはまるか要確認
- タイプによっては、購入する必要はないかと
導入美容液とは?
導入美容液、または、ブースター、先行美容液などと呼ばれていますよね。
基本的には、洗顔の後、化粧水を使用する前に、使用する化粧品のことを言うそうです。
化粧水の前に使用することで、その後のスキンケアの肌馴染みが良くなるという代物。
では、何をもって「肌馴染みが良い」、となるのでしょうか?
ちなみに、導入美容液、ブースターといった商品に明確な定義はありません!!
当ブログでも何度も何度も言っていることですね(笑)
ですので、メーカー側、販売する側が、導入美容液だよ!
と言ってしまえば、それは導入美容液なのです。
なんと曖昧なことでしょうか・・・。
その曖昧さを突いて、変な商品が出てきたりするんですよね・・・。
導入美容液の構成成分
導入美容液やブースターと呼ばれている商品の全成分を気にされた方は少ないでしょう。
全成分の中に、馴染みを良くする、化粧品の浸透を促進する成分があるのです。(←当たり前です)
いくつか、例をあげます。
無印良品 導入化粧液
水、プロパンジオール、DPG、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン、ペンチレングリコール、ツバキ種子エキス、ミツバアケビ茎エキス、ジャノヒゲ根エキス、コメヌカエキス、アンズ果汁、スベリヒユエキス、ポリクオタニウム-51、ヒアルロン酸Na、オレイルアルコール、グリセリン、BG、エチルヘキシルグリセリン、ポリソルベート80、PEG-60水添ヒマシ油、クエン酸、クエン酸Na、フェノキシエタノール
無印良品の導入美容液の肝は、
PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリンです。
これは、両親媒性成分です。
両親媒性成分とは、油にも、水にも溶ける成分のことを言います。
これが配合されてあることで、有効成分の浸透が高まるというデータが得られています。
余談ですが、この商品、敏感肌の方は多用しない方が良いかなーという感じです。
DPGが配合されています。
DPGは、多価アルコールの保湿剤ですが、敏感肌向きの成分ではありませんから。
配合量が少ないなら、問題ないですが、3番目と多めに配合されていますからね。
クラシエ 肌美精 導入化粧水
水、BG、プロパンジオール、グリセリン、エタノール、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、レモン果実エキス、グレープフルーツ果実エキス、キイチゴエキス、ヒアルロン酸Na、水溶性コラーゲン、ローヤルゼリーエキス、ポリクオタニウム-61、クエン酸Na、クエン酸、HEDTA-3Na、フェノキシエタノール
無印良品と同様に、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリルが配合されています。
さらに、もう一つ両親媒性成分が配合されていますね。
シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトシキジグリコールです。
両親媒性成分のWパンチです(笑)
明色プレミアム スキンコンディショナー
水、エタノール、BG、ハイブリッドローズ花エキス、アロエベラ葉エキス、ビルベリー果実エキス、モモ葉エキス、センチフォリアバラ花油、シトルリン、ソルビトール、クロルヒドロキシAl、乳酸、乳酸Na、エチルパラベン、メチルパラベン、香料
水の次がエタノールです。
エタノールに浸透促進の能力はありません。揮発性(すぐ蒸発すること)が高いので、あたかもすぐに浸透した!
となるように、擬似的に作られた商品です。
導入美容液は、多種多様、ものすごい数の商品が乱立しています。
一体、どれが良いのでしょうか。
導入美容液の分類
導入美容液を購入するにあたって、どの導入液が良いのか?
簡単にですが、分類してみました。
導入美容液は、5つのタイプに分けれるかなと思います。
- 界面活性剤配合タイプ
- 両親媒性成分配合タイプ
- オイル系美容液タイプ
- ただ謳っているだけタイプ
- 発酵液高配合タイプ(New)2020年7月1日追記
結論から言うと、界面活性剤配合タイプ、両親媒性配合タイプ、発酵液高配合タイプをオススメします。
界面活性剤配合タイプ
界面活性剤を使用して、馴染みよく、浸透させようとするタイプです。
先日お話した、「【リポソームの先駆者】モイスチュアリポソーム(コスメデコルテ)」がそれにあたります。また、コスメデコルテのリポソームはリニューアルされましたので、そちらも参照いただければ幸いです。
水添レシチン(両性界面活性剤)で、構成されてましたよね?
注意してほしいのは、アニオン性活性剤で、導入美容液を謳っている商品です。アニオンは、肌に対して刺激が少なからずあります。そのアニオンで浸透促進をさせようとすれば、お肌に良いわけないですから。
両親媒性成分配合タイプ
さっきお話した、
- PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン
- シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール
が、両親媒性成分になります。
これらは、浸透を促進する役割があり、技術的なデータも取られています。
導入美容液に限らず、化粧品全般によく使用されるように、最近なってきています。
それだけ、効果を実感しやすいのでしょう。
実際、私もよく使う成分です。上記成分を使用したのが、ランコムの美容液ですね。
オイル系美容液タイプ
オイル成分100%の導入液です。オイルですので、好みが別れます。脂性肌系の人は、オススメはしません。それに、そこまでの浸透促進の力はないでしょう。
と言うより、先にオイルを塗ってしまうと、オイルの膜が張られてしまうので、オイルより後に塗る化粧品の浸透は悪くなります。特にローション系はものの見事に、弾かれます(笑)塗るなら、一番最後が良いです。
オイル系美容液で使用感が良かったのは、下記商品になります。
ただ謳っているだけタイプ
導入液のプチブームにあやかろうとする商品ですね。
中身(成分)を見ても、それらしい成分はなし。ただの化粧水か、美容液です。もしくは、エタノールを配合し、擬似的な浸透を演出しているにすぎません。拭き取りタイプもありますが、あれもやめておくほうが良いかと。エタノールが多く配合され、pHも低かったりします。一種のピーリング剤です。
使用感がいいんですよ!
って人以外は、使用するメリットはあまりないタイプです。先程お話した、明色の商品がこれにあたります。
アルティミューンの成分が、エタノールが配合され、浸透も良いので、近いのかな?という感じですが、アルティミューンは、導入美容液などとは謳っていないので、一緒にするのは、失礼かなと思います。
発酵液高配合タイプ
近年人気となっている、発酵液。それを多く配合したタイプになります。
発酵液は、ただの水ではなく、アミノ酸などの保湿成分を潤沢に含み、肌なじみが良いことが知られています。世の中には、発酵液を高配合したしたコスメがいくつかあり、このタイプは結構オススメになります。
SK-IIのピテラ、フローラドリップのミュラが、発酵液に当たりますね。
導入美容液は必要なのか?
先程も書きましたが、浸透を促進させるための成分は、普段のスキンケアに配合されていることもあります。Coyoriの美容液がそんな感じです。
ですので、わざわざ導入美容液を使用しなくとも、お肌に浸透するような中身になっていたりします。
もちろん、全てがそうではありませんが。
普段使用されている商品を確認して、上記で書いたような成分が配合されていれば、わざわざ導入美容液を買わなくても良いと思います。その費用分、違うアイテムに回せますからね。
使用感が好みであれば、導入美容液を使用しつつ、化粧水をやめるとかでもいいと思います。
ご自身のお財布に、負担とならないようにしてください。
必ず、導入美容液が必要!
ということは、絶対にありませんので。
なくても、何も問題ないです。
最後に
導入美容液について、書き連ねました。
不必要に、周りに、メディアに、メーカーに振り回されないようにしてください。
また、個人的に、剤形別のランキングページを作成しました。化粧品選びの参考になれば、幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。