どうも、化粧品開発者のあひるです。
ドラッグストアや、バラエティショップでよく見かけるピーリング化粧品。
結構色々ありますよね?
皆さん、誤解していないでしょうか?いいように騙されていないでしょうか?
今回は、ピーリング化粧品について、お話します。
結論
- ピーリング化粧品を使用する必要はさほどない
- 人によっては、肌荒れの危険性が
- ホワイトピーリングなどと謳っている商品は、本当に無意味
ピーリングとは?
ピーリング化粧品、聞いたことありますよね?
「ケミカルピーリング」
という言葉の方が、しっくりくるかもしれません。
美容整形などのお医者さんが行ってくれる施術を
「ケミカルピーリング」
と言います。
ケミカルピーリングとは、ニキビ跡の治療や、シミ、くすみといった肌悩みを改善する施術のことです。
化学薬品をお肌に塗り、皮膚を意図的に剥がすことによって、治療したりするのです。美容目的に行われることがほとんどですね。
ピーリング化粧品?
では、ピーリング化粧品って何でしょうか?
美容目的を真似た化粧品になります。
当たり前ですが、ケミカルピーリングほどの効果はありません。
逆にそんな効果あったら、怖いですよね?
家で、手軽に簡単にピーリング!
いやいや、肌トラブルにしかならないでしょ!(笑)
ピーリング化粧品は、
毛穴の汚れや、古い角質を取り除く目的で販売されています。
多くの方がお使いになれたことでしょう・・・。
その真実を知らずに・・・。
ピーリング化粧品の真実
ピーリング化粧品を使用された方は、経験がおありかと思います。
ジェルタイプの方ですが、ジェルを塗り、塗り拡げていくと、カスがポロポロ。
角質いっぱい取れたー!
などと、喜ばれた方もいるかもせれません。
・・・。
すみません。
それ、角質じゃないんです。
ですので、お肌がきれいになんて、なりません。
※まぁ、多少こすっているので、角質が全く取れていないとは言いません。少なくとも、ポロポロ出てくるアレは、角質が丸まったものではありません。
薬用ホワイトピーリングジェル
実際の商品を使用してみましょう。
使用した商品はこれ。
デザインが面白いですよね?
消しゴムみたいで(笑)
ステーショナリーコスメとして、他にも売り出しているみたいですね。
容器やデザインは面白いですが、中身はちっとも面白くありません。
手に出して、塗り拡げていくと・・・。
カスがポロポロ出てきました。
私の手ってそんなに汚いんだー(笑)
では、机で試してみましょう。
机に塗って、クルクルクル・・・。
なんか出てきた。なるほど、机にも角質あったんですね!
・・・。
そんなわけないです。
どういうことでしょうか?
これは、商品の中身に秘密があります。
ピーリングジェルは、ゲル化剤という増粘させるために必要な成分が含まれています。
これが、カス、ポロポロの正体なのです。
商品の全成分を見てみましょう。
【有効成分】水溶性プラセンタエキス、グリチルリチン酸2K
【その他の成分】アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、濃グリセリン、米デンプン、混合植物抽出液-34、シルバーバイン果実エキス、カモミラエキス-1、酵母多糖体末、アーティチョークエキス、マロニエエキス、ヒアルロン酸Na-2、塩化トリPOE(5)ステアリルアンモニウム、BG、フェノキシエタノール、精製水
この商品、医薬部外品なんです。
有効成分の水溶性プラセンタエキスは、美白作用のある成分です。
グリチルリチン酸2Kは、抗炎症作用があります。
医薬部外品ですので、全成分は多いもの順ではありません。ここが部外品のややこしいところですね。
ポロポロの原因は、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体です。化粧品表示名称ですと、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーです。通常の化粧品にも配合されている増粘成分です。ピーリングジェルでは、通常より多く配合し、ゲルポロを出しやすくしているのです。
もう一つ、重要な成分があります。
塩化トリPOE(5)ステアリルアンモニウムです。そう、カチオン界面活性剤ですね。表示名称だと、PEG-5ステアリルトリモニウムクロリドです。なぜ、カチオン界面活性剤が必要なのでしょうか?
ピーリングジェルなどを使用し、洗い流すと、サラサラしませんか?余計な角質が取れたから、サラサラしてるわけじゃないんです。カチオン界面活性剤が、皮膚に吸着し、サラサラするようにしているのです。
まぁ、よく考えたなーと関心しますが、わざわざカチオン界面活性剤を皮膚に塗る必要は全くありません。トリートメントなどのヘアケアなら、わかりますが・・・
カチオン界面活性剤の刺激性は、以前にも記事にしましたが、界面活性剤の分類の中で一番強い刺激を持っています。人によっては、刺激となりうる成分ですからね。
また、この商品はpHがかなり低いです。これは増粘剤によるものですね。普通、この手の増粘剤は、中和して使用します。カルボマーなんかも、中和します。でないと、粘度が出ないんです。しかし、ピーリングジェルは中和を行いません。増粘剤とカチオン界面活性剤との複合作用で、粘度を出すようにしているのです。ですから、中和いらずで粘度が出ているんです。pHが低いものも、危ないです。
人のお肌のpHは、4.5〜6.0
この商品は、2.0付近。
そしてこの商品。
美白系コスメなんですよね。
この商品以外にも、
- スキンビル ホワイトピーリングジェル 有効成分:水溶性プラセンタエキス、グリチルリチン酸2K
- 美白乃美人 ピーリングジェル 有効成分:アラントイン、ブタプラセンタエキス-1
などが、美白系ピーリングコスメとして売られています。
これらの商品で美白ができるわけないんですよ。
ピーリングコスメは、基本洗い流すタイプです。肌に刺激となる成分が含まれているため、塗りっぱなし、つけっぱなしは危険です。
※中には、つけっぱなしを推奨するピーリング化粧水はあります。肌に刺激とならないようにされているのかもしれません。これは消費者にはわからないですからね。
洗い流す、つまり、美白に有効な成分も洗い流すのです。
それで、肌トーンが上がる?チャンチャラおかしいです。
どれだけ即効性のある美白成分なんですかね?あるなら、お目にかかりたいです(笑)
ピーリング化粧品が生まれた背景
ピーリング化粧品が生まれた背景はなんでしょうか?
やはり、ケミカルピーリングによるものでしょう。
ですが、ケミカルピーリングとピーリング化粧品は、全くの別物です。ピーリング化粧品を使用しても、大した効果は得られないでしょう。
これは、ピーリングジェル(ポロポロタイプ)でも、ピーリングローションでも、同じです。ローションタイプは、ポロポロしませんが、中には、低いpHのものあり、良い商品とは言えません。お肌の弱い方は、なおさら危ないでしょう。
化粧水のピーリングコスメについても書いています。化粧品選びの参考になれば、幸いです。
最後に
ピーリング系商品について、お話してみました。様々なところで販売しているピーリング化粧品。はっきり言って、使用しない方が良いと思います。メリットより、肌が荒れる可能性、デメリットの方が大きすぎます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。