どうも、化粧品開発者のあひるです。
昨今、ますます高まりをみせる「オーガニック化粧品」や「天然化粧品」。
化粧品市場における、オーガニックや天然のニーズは高まるばかりです。
- 本当にオーガニックって肌にいいの?
- 天然成分〇〇%って、どうなの?
そんな疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか?
今回は、その辺りについて、お話しようと思います。
結論
先に結論を書いておきます。
- オーガニック(天然)化粧品=お肌に良い!とは限らない
- 使用感の観点から見れば、オーガニック化粧品より、ノンオーガニック化粧品の方が優れている商品が多い
- お肌が弱い方は、オススメしません
天然抽出成分やオーガニック成分の抽出成分は、何が含まれているかわからない、混合抽出成分です。ですので、天然成分やオーガニック成分の割合が増えると、肌への負担となる成分も増えてしまいますから、刺激と成る確率は上がってしまいます。
もちろん、全てのオーガニック化粧品を否定しているわけではありません。
オーガニックとは?
そもそも、オーガニックってなんなのでしょうか?
オーガニックは、食品、作物からきた言葉です。
オーガニックとは、有機栽培で育てられた作物のことを言います。化粧品のオーガニックも、それに準じています。厳密に言えば、オーガニック化粧品なんて、存在しないのです。有機栽培で育てられた化粧品なんて、ないんですから・・・。オーガニック成分を配合している化粧品をオーガニック化粧品と呼んでいるだけなのです。
ちなみに、オーガニック成分=無農薬成分ではないので、お間違いなく。オーガニックと呼ばれていても、指定された農薬は使用できるんですよ。結構、勘違いされている方、多いです。
オーガニック成分の例です。イチゴエキスで考えてみましょう。
有機栽培されたイチゴから採れたエキスなら、オーガニックのイチゴエキスとなります。
有機栽培されてなければ、言い方は悪いですが、ただのイチゴエキスです。
ちなみに、
- ノーマルイチゴエキス
- オーガニックイチゴエキス
効果は違うのでしょうか?
残念ながら、同じ種で、同じ気候の栽培条件であれば、効果は基本的には変わらないです。
別種のイチゴなどでしたら、効果や作用は変わることがあります。
なぜそこまで評価されるのか?
これは、化粧品メーカーが上手くやったのでしょう。
どこが始めたかわかりませんが、今では、色んな会社から、オーガニック系化粧品、天然系化粧品が販売されています。この流れは、食品からですね。食品で有機栽培作物、オーガニック作物の需要の高まりから、化粧品に応用したのでしょう。
有機栽培作物、または、農薬を使わない作物が健康に良い!だから、お肌に塗るのも、オーガニックがいいよね!
そんな情報が、オーガニック化粧品の評価を上げていったのでしょう。
なんと素晴らしい考えでしょうか!(笑)開いた口が塞がりません!!そんな単純じゃないですよね。
- 口に入れて食べる、経口摂取
- お肌に塗るって浸透する、経皮吸収
体内に取り込む意味では同じですが、取り込まれるメカニズムが全く異なります。ですので、食べることで体に良い=肌に塗っても良い
とは、絶対になりません。その辺り、勘違い、情報に踊らされている方は、やはり多いですね。
オーガニック認証
オーガニック認証、ご存知でしょうか。
今では、だいぶメジャーになりつつありますが、いくつかご紹介しておきます。
ECOCERT
一番有名でしょうか。
フランスが発祥で、今やオーガニックコスメ製品の認証シェア75%を占めます。
世界最大の認証団体です。
エコサート認証を取得したコスメはコチラ
Natrue
ベルギーで設立された団体。
約130ブランド、3000製品が認証を取得。
日本ではあまり見かけないですね。
USDA
化粧品に関する明確な基準はなく、食品の基準で認証しているのだとか・・・。
取り上げた認証以外にも、多数存在します。
大体が、オーガニック成分10〜20%程度で認証を取得できます。
もちろん、それだけではなく、合成成分配合不可や、天然成分95%以上、などの規制もあります。
そう、たかだか10〜20%程度しか配合されていないのに、オーガニック化粧品となってしまうのです。
オーガニック化粧品、オーガニックコスメとは一体・・・。
ですが、これが世界基準ですので、仕方ありませんし、化粧品の性質上、それくらいの配合濃度でないと作れないのです。
ちなみに、オーガニック成分100%化粧品はあります!
オーガニックオイル100%商品がそれにあたります。例えば、オーガニックホホバオイル美容液。言うなれば、ホホバ油の原料生詰です(笑)そこに、中身のノウハウなんかは一切ありません。それで認証を取得していても、当たり前やん!!と、ツッコミが入りますね。
そして、認証にはお金が付き纏います。認証取得もタダではありません。その認証費用は、商品に乗っかります。
つまり、中身が同じ。、容器が同じオーガニック化粧品でも、認証取得の有無で、販売価格が異なるということです。
※認証取得を否定しているわけではありません。
オーガニック化粧品
上記の認証を取得している化粧品であれば、オーガニック化粧品と呼ぶにふさわしいものだと思います。または、ホームページ上や、全成分上で、オーガニック成分を明記し、区別している商品も、オーガニック化粧品と呼んで良いと思います。
しかしながら、全成分中のごく僅かな成分だけ、オーガニック成分を配合し、オーガニック化粧品だよ!
なんて謳う会社もあります。
他にも、オーガニック化粧品と謳いながら、合成系成分を多数配合している化粧品もあり・・・。
やりたい放題です。
なぜなら、オーガニック化粧品に関する基準を、日本が定めていないのです。
つまり、商品を出す会社さんの自由なのです。こういうの化粧品業界は多いですね・・・。
ところが、流石に見かねたのでしょうか。ISO基準が一応作られました。日本化粧品工業会が、ISOをけしかけたらしいです。
が、法的拘束力は全くなく、その基準に準じようがどうしようが、何もありません。
できた当初は、あまり意味のない基準で、化粧品メーカー各社、この基準を傍観していましたが、近頃、ISOに則った化粧品が、いくつか市場に出てきています。2019年後半くらいからですかね。
オーガニック化粧品は、本当に肌に良いのか?
先日、「【ママさん、パパさん必見!】アレルギーと化粧品」アレルギーに関する記事を書きました。
上記の記事で書かせてもらいましたが、オーガニック化粧品に配合されてある成分によっては、アレルギーを引き起こす可能性があります。全てがそうとは言いません。
そんな観点から、必ずしも、お肌に良いとは言い難いのが本当のところでしょうか。
各メーカー、パッチテスト(お肌に化粧品を塗って、肌に異常がないか確認するための試験)を行ってはいますが、基本的に一回限りでしょう。
アレルギーに関する記事でも書きましたが、何回も使用することで、アレルギー発症が引き起こされるので、パッチテストが合格だからと言って、そのオーガニック化粧品を使用して、異常にならないかどうかはわからないのです。
お肌が弱い方は、お肌のバリア機能が低下していますので、あまりオーガニックコスメは使用しない方がよろしいかと思います。
また、医薬品(お薬)に、オーガニックってありますか?
ないですよね。
漢方とかありますが、大半が合成で作られたお薬です。
つまり、そういうことなのです。
極論を言ってしまえば、
オーガニック(天然)が良い!
は幻想です。
天然の全てが、人に、お肌に、良いでしょうか。天然に生えている草木には、人にとって、毒になる成分もたくさんあります。それらの毒も、天然なのです。
石油系だから、お肌に悪い!
誰が言ったのでしょうか。もちろん、お肌に悪い成分はありますが、全てがそうではありませんし、天然もそうじゃないですか・・・。
一部の石油系成分がお肌に悪い=全ての石油系成分がお肌に悪い
安易で幼稚な考えです。
どうか、読者の皆様は、正しい考えで動いてください。
最後に
オーガニック(天然)化粧品について書いていました。
勘違いしてほしくないのですが、オーガニック化粧品や天然化粧品の全てを否定しているわけではありません。一部のおかしな商品が、消費者を、市場を、混乱させているのです。良い商品も当然あります。
他の記事でも書いていますが、
メーカーや売り手側に、いいように、思惑通りに操られないようにすることです。
何が良いのか?
何が真実なのか?
きちんとご自身で考えてみてください。
騙されないように!
「食すオーガニック」、「塗るオーガニック」
似ているようで、完全に別物です。
食べ物を塗るのが、いかに危険かは、「【やっぱり危険よ?】食べ物を肌に塗ること」という記事で書かせてもらっています。
敏感肌、肌が弱い方は、以下の商品はシンプルでオススメです。
また、個人的な剤形別ランキングページを作りました。参考になれば、幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。