どうも、あひるです。
今回は、化粧品からちょっと脱線したお話をしようかと思います。
〇〇水ってよくお聞きしますよね?
今では、コンビニでも販売されていたり。
さて、そのお水って、身体に良いのでしょうか?
水道水とどう違うのか、すこーし説明してみようかなと思います。
- 〇〇水は、わざわざ購入する必要なし
- 〇〇水は、健康を損なう可能性アリ
- きちんとした情報を掴み取って、変な情報に惑わされないように
そもそも水って何??
一般の方から見て、「水」ってどういう存在なのでしょうか。
どう考えても、生活になくてはならないもの、ですよね。
生きていく上では欠かせない存在です。
人の生命活動を維持するのにも必要ですが、人間が人間らしく生きていくのに、必要不可欠なものです。
- 料理を作る
- お風呂に入る
- トイレを流す
などなど、水が必要なシーンを挙げれば、キリがないのではないでしょうか。
それほどまでに、「水」の存在は、大きすぎるものですね。
さて、大変重要な存在であるその「水」を販売されている会社さんが、いくつもあるんですよね。
謳い文句も結構キワドイものが多いようです。その辺り、皆さんはどう見られているのでしょうか。
宣伝をそのまま鵜呑みにしていませんか?
宣伝を鵜呑みにしていると、とんでもない健康被害を被るかもしれません。
よくよく、疑うクセを持ちましょう!
では、「お水」について、解説してきたいと思います。
色々売られている、身体に良さそうなお水たち
さて、「お水」ですが、結構色々売られていますよね。お安いお水〜お高いお水まで、実に様々です。
- 水素水
- アルカリイオン水
- シリカ水
などがありますね。
一つずつ、そのお水の特徴を見ていきたいと思います。
水素水
一時期流行ったような気はします。
今でも、定額のウォーターサーバーなどで取り扱われているみたいですね。
水素水とは、水素を水に溶かしたお水のことを指します。
水素、お分かりになられる方が、どれほどおられるかはわかりませんが、化学で習う周期表の一番始めに出てくるやつです。
化学式では、H2。ちなみにお水は、H2O。
水素は、普段、気体であり、火を近づけると燃える性質があります。この性質を利用したのが、水素カーですね。水素を燃料にして走る車です。どこまで普及しているかは、ちょっとわからないですけど。
また、一番軽い気体ですので、その昔、飛行船の浮力として、使用されていた経緯もあります。
ところが、燃える性質ゆえ、飛行船が爆発したってこともありましたね(ヒンデンブルク号爆発事故)。もう、100年近く前のお話です。
水素は、水溶液中に限り、活性酸素種(ROS)と反応し、無害化させる可能性が示唆されています。ROSすべてと反応するわけではなく、特に反応性が高いヒドロキシラジカル(・OH)と反応するみたいです。このヒドロキシラジカルは、色々と悪さをする活性酸素の一種であり、これを無害化させる働きはかなり良い面ではあります。
論文によると、様々な病気へのアプローチがなされ、一定の効果があるとされていたりします。
引用:https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/publications/other/pdf/perspective_geriatrics_49_680.pdf
しかし、それらは、あくまで医療環境化においてのお話です。
お医者さんがいて、きちんとした装置を用いて、人での(しかも病気を患っている人)試験(臨床試験)やマウスでの実験(動物実験)を行った結果であって、市販されている水素水を用いた訳でも、健康な人を用いて行った試験でもありません。
水素水、水素ガスが、病気に効果アリ!とし、商売に転換できると考えられた方がチラホラいたのでしょう。結果、誇大広告などで煽って、水素水や水素に関わるビジネスが誕生していったのです。
さらに色々調べてみると、独立行政法人国民生活センターから、注意文書と読み取れる文書も公開されています。
以下、一部抜粋します。
水素水の効果については、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の「『健康食品』 の安全性・有効性情報」に、「俗に、『活性酸素を除去する』『がんを予防する』『ダイエット効果がある』などと言われているが、ヒトでの有効性について信頼できる十分なデータが見当たらない。現時点における水素水のヒトにおける有効性や安全性の検討は、ほとんどが疾病を有する患者を対象に実施された予備的研究であり、それらの研究結果は、健康な人が市販の多様な水素水の製品を摂取した時の有効性を示す根拠になるとはいえない。
と記載されております。
引用:http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20161215_2.pdf
つまり、水素水を摂取しても、無意味だよーと言っているのです。
さらに、市販されている水素水には、溶けている水素の濃度が記載されていない商品や、記載されていても、それは出荷時のものであって、実際に飲むときの濃度と一致しないなど、難あり商品ばかりです。
水素水を摂取していると思っていながらも、実は、水素が溶けていたお水(水素がなくなったお水)を飲んでいるだけ、という可能性さえあるのです。
うーーん、ただのお金の無駄ですよね。
また、水素は、分子量が小さく、透過性が優れているので、水溶液にしてもどんどん抜けていくんですよね。炭酸飲料をイメージされるとわかりやすいかもです。最初はきつい炭酸も、時間とともに、炭酸がよわくなりますよね?あれと同じです。むしろ、水素の方が抜けやすいです。特に、ペットボトルでは無意味とされています。
やはり、お金の無駄かと・・・。
そのお金があるなら、ジムにでも行って、運動をされた方がよろしいかと。
余談ですが、摂取された水素はやがて、身体の外に、水素ガスとして排出されますので、飛行船みたく、爆発の心配はありません。
また、水素水サプリ、水素吸入装置、ってのもあるみたいですね・・・。
どちらも怪しいので、騙されないようにしてくださいね。
アルカリイオン水
浄水装置などで、アルカリイオン水、見かけませんか?ペットボトルなどでも販売されていたりもしますね。
そもそもアルカリイオン水って何なのでしょうか。
学校で習ったかと思います。アルカリ性、中性、酸性。液体のpHを表す指標ですね。
例えば、酸っぱいレモン汁は酸性、水は中性、温泉水などはアルカリ性です。
アルカリイオン水のpHは、9〜10とされており、水を電気分解して得られるお水になります。
胃酸のpHは1〜2であり、中和の懸念がありますよね。中和されてしまうと、胃酸の意味がなくなり、消化不良などが起こりえますが、アルカリイオン水程度のpHで、多少多く飲もうが、胃酸のpHが中性になることはほぼありません。もし、胃酸を中和しようとするならば、10〜20Lの大量のアルカリイオン水を連続的に飲まないいけないのです。そんな大量に飲めるわけないので、胃酸の中和は気にする必要はないかと思います。
アルカリイオン水の作用としては、胃酸過多、制酸、消化不良、などに効果があるとされており、それ以外、例えば、体質改善やアトピー改善、などなど、飛躍しすぎた表現などは、明らかに薬機法違反ですので、ご注意ください。
ここ最近、誇大広告などは、排除されつつありますが、全くのゼロではありません。
ものすごく良いように宣伝、広告を掲載し、不当に利益を上げている会社もありますので、是非、そういうところは注意してください。
ちなみに、アルカリイオン水には、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどが含まれますが、牛乳と比べると、かなり低い濃度でしか含まれていないので、カルシウム補給や骨関連の宣伝も、不当宣伝、誇大広告になりますね。気をつけてください。
また、飲み薬を服用されている方は、アルカリイオン水で薬を飲まないよう注意してください。薬の中には、pHによって、その効力、活性を失うものもあります。薬を飲む際は、普通の水、水道水などで服用するようにしてください。
シリカ水
近年よく耳にするようになったのが、シリカ水ですね。ケイ素水、なんて呼ばれていたりもします。
「シリカ」って何なのでしょうか?
シリカとは、二酸化ケイ素のことです。化学式ですと、SiO2となります。化学式からもお分かりになられるかと思いますが、シリコーン化合物の一種です。化粧品に使用されている、ジメチコンなどのシリコーンオイルのお仲間ってところです。
また、二酸化ケイ素は、ガラスの主成分でもあります。
つまり、そういったシリコーン化合物が溶けているお水ってことですよね。
ここで勘違いしてほしくないのですが、溶けたガラスを飲んでいるわけではないです。シリカは、温度や圧力など、生成されるときの条件で、様々な形をとるおもしろ化合物です。シリカ水のシリカは、非結晶性のシリカで、ガラス(結晶性)とは異なるものです。成分的には、同じですが、構造的には異なるってことです。ちょっとややこしいですね。
さて、そのシリカ水、シリカですが、体内において、どのような働きをしているのでしょうか。
実は、あまりわかっていないのです。人にとって、骨や髪の形成に重要、関与していることくらいはわかっています。でも、どこまで必要なのかは、不明な点が多いです。
厚生労働省も、シリカを必須ミネラルとしていませんし、一日〇〇mgの摂取を推奨などとも言っておりません。
ですが、シリカ水を販売しているメーカーは、
- 人にとって必須の成分
- 健康維持の重要成分
などと煽っているのです。
生まれてこの方、シリカ不足で困ったことはありますか?そんな人、いないと思います。
シリカは、体内で生成できませんが、食品などから、十分に摂取できるのです。普段食することで十分賄えているからこそ、厚生労働省も必須ミネラルに指定されていないのではないでしょうか?
ここで逆に考えたいのですが、シリカを過剰摂取した場合、どうなるのでしょうか。
こちらもあまりわかってはいないのですが、厚生労働省から、添加物報告書として、シリカについて報告書がありました。この報告書によると、シリカを多く含んだ餌を牛に摂取させることにより、シリカ尿路結石になると報告されています。牛以外にも、犬でも当てはまったみたいです。これを安易に人に当てはめるのは、よくはないかと思いますが、可能性はゼロではないかと思います。
今、シリカ水を好んで飲んでおられるあなた、数年後にそんな未来が待っているのかもしれませんね。
まぁ、毎日過剰に摂取したらの可能性かもしれませんが、わざわざ、お金を払って、シリカ水を飲み続ける理由なんて、ないのではないでしょうか。そのお金があるなら、普段の食生活を見直したほうが、よっぽど健康的かと。
最後に
世間で売られている〇〇水について、色々と解説してみました。個人的に飲んでも良いなと思ったのは、アルカリイオン水くらいでしょうか。
まぁでも、日本の水道水って、世界一キレイなお水と言っても過言ではありませんので、無駄に高いお水を買うくらいなら、水道水で十分かなと思います。
逆に言うと、海外の水道水は身体に良くない(海外の全てではないです)ので、天然水などのお水が重宝されますし、お金を払ってでも、飲む人がいるのです。
海外では、お店で出てくるお水でさえ、お金が必要だったりしますからね・・・。
その海外ビジネスを、日本にそのまま適用したのが、今の〇〇水だと思われます。
日本人って、どうしてこう、欧米の影響を受けやすいのでしょうか。
欧米の有名な方が、〇〇水を飲んでいる姿がカッコいいんでしょうね。
それに釣られて、自分も飲んでしまう。
気に入っているインフルエンサーが勧めているから、飲んでいるから、・・・etc.。
キリが無いですね。
日本の水道水は素晴らしいんですけどね。
海外の水道水がよろしくないから、海外の方は、天然水などの〇〇水を飲んでいるだけなのですから。
余計な美意識、憧れにかられて、変なお水を購入しないよう、注意してくださいね。
※美意識を持つことは、大変良いことです。
変なものを購入し、余計な健康被害に合わないように注意してください。
余談ですが、
天然水のペットボトル、ありますよね?
それの中身を全て水道水に変えて、飲む人々がどう感じるか実験したものがあります。
それはそれは、面白い内容でして(笑)
実験内容は、
- 〇〇の天然水
- クリスタル〇〇
- 水道水
のラベルを貼ったペットボトルを準備し、中身は全て水道水にします。
それを、20代、60代で、飲み比べてもらいました。
結果、
20代も、60代も「水道水」ラベルの水のほうが市販されている2本のペットボトルの水より臭みを感じ、逆に市販の2本のペットボトルの水のほうが「水道水」ラベルの水より甘みを感じたと回答。また、20代に比べて60代はその効果、暗示が大きく、ラベルによる暗示効果、プラシーボ効果が得られた、というものです。
引用:https://www.jstage.jst.go.jp/article/cogpsy/2011/0/2011_0_94/_article/-char/ja/
つまり、人の味覚って、とても曖昧だよね?ってお話です。
味覚だけでなく、触覚も非常に曖昧ですし・・・。職業柄、使用感による曖昧さは、日常茶飯事でして・・・。ものすごく苦労するところです。
高いお金を払ってまで、「お高いお水」を買うか否かは、その人次第ですが、変な商品、買わないように注意してくださいね。
他にも、健康被害系の記事を書いています。良ければ御覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。