どうも、あひるです。
前回、「【化粧品の基礎知識】植物性オイルと脂肪酸、特徴と役割」について書きましたが、ホホバオイルの説明を省いていたので、今回説明していこうと思います。
ホホバオイルのポイント!
- ホホバオイルは、植物オイルではなく、植物ロウ
- 酸化安定性は、非常に良い
ホホバオイルは植物オイル?
ホホバオイル(表示名称:ホホバ種子油)は、植物オイルと思われている方も多いのではないでしょうか?
表示名称の名前からも、植物オイルって感じですよね。
ですが、違うんです。
正しくは、植物性ロウ(ワックスエステル)です。
ロウというと、ろうそくの硬い油って感じがしますが、ロウは、ロウでも液体のロウもあるんです。
脂肪酸と同じですね。
- 常温で個体の、飽和脂肪酸。
- 常温で液体の、不飽和脂肪酸。
ロウも同じなんですね。
ワックスエステルってなに?
植物オイルと、植物ワックスエステル、何がどう違うのでしょうか?
- 植物オイルとは、脂肪酸+グリセリンでできた成分が主成分です。
- 植物ワックスエステルは、高級脂肪酸+高級アルコールでできた成分が主成分です。
高級脂肪酸とは、炭素(C)の数が12個以上の脂肪酸のことです。
ラウリン酸より炭素数の多い脂肪酸ってことですね。
高級アルコールは、炭素数6個以上のアルコールのことでしたよね。
色々と混同しやすいと思いますが、間違えないようにしてくださいね。
高級アルコールについては、「【化粧品の基礎知識】高級アルコールの特徴と役割」という記事で書いています。
つまり、構造そのものが、含まれている成分そのものが、異なるということです。
オイル(油脂)
- 不飽和脂肪酸の数によって、安定性が悪くなる
- 不飽和脂肪酸の数によって、匂いがきつくなったりする
ワックスエステル
- 不飽和脂肪酸を多く含むと、固まらない液体となる(ホホバ種子油)
- 一般的には、柔らかめのロウ(キャンデリラロウなど)
- 長期間酸化することはなく、熱にも、化学的にも安定
- ワックスエステルは、消化できないので、食べないように(笑)
ホホバ種子油の安定性が高い理由
不飽和脂肪酸を多く含みながら、ホホバ種子油が熱にも酸化にも強い理由は、上記で説明したワックスエステルを含んでいるからです。
この他に、トコフェロール(天然ビタミンE)を含んでいるのも、酸化安定性を高めている理由でもあります。
このワックスエステルは、他の植物オイルにはないので、ホホバ種子油独特のものです。
植物以外なら、マッコウ鯨油(液体)、ラノリン(個体)、ミツロウ(個体)、などがワックスエステルに該当します。
ホホバ油の商品
ホホバ油単体、ホホバ油100%の商品、見たことありませんか?
ある方、多いと思います。
基本、オイルを単体では売らないかと思います。オリーブ油とか、マカデミア油とか、化粧品ではあまりないですよね?それはやはり、安定性に不安があるからです。化粧品は、未開封3年を保証しなければなりません。オリーブオイルとかですと、保証できないんですよ。
ところが、ホホバ油は安定性がすこぶる良いので、単体で、化粧品として販売することができるのです。
ホホバ油は、マッサージオイルとして使用するの良し、スキンケアの最後に塗るも良し、だと思います。
クレンジングとして、使用されている方もいるみたいですが、個人的には、きちんとしたクレンジングを使用した方が良いかと思います。変な肌トラブルにも繋がりかねないですからね。クレンジングについて、
記事で書いています。
最後に
ホホバ種子油の強みについて、説明しました。
熱安定性や酸化安定性の弱いオイルでも、ホホバ種子油と混合して使用することで、安定性を高めることも可能です。
また、人の皮脂成分の一つであるワックスエステルと非常に近い構造を持っているますので、人の肌との親和性も良いのです。
人の脂肪酸組成と近い、マカデミアナッツ油(表示名称:マカデミア種子油)
人のワックスエステルと近い、ホホバ種子油。
この2つを組み合わせて使用すれば、より良いお肌への扉が開けるかもしれませんね。
他にも、化粧品の基本的なことについて、記事にしています。化粧品選びの参考になれば、幸いです。
「【お肌の基礎知識】皮膚の基本機能と構造 表皮・真皮・皮下組織」
「【美白成分最前線】シミ発生メカニズムとその対処方法、美白成分のまとめ」
最後までお読みいただき、ありがとうございます。