どうも、化粧品開発者のあひるです。
毛髪に関しても書いておこうと思います。毛髪、髪の毛がきれいってことは、素晴らしいステータスですよね。男女に限らず、髪の毛が痛みまくっていると、どうしたって魅力が下がってしまいます。髪の毛の基本的なこと、特性や性質をきちんと理解して、美髪を目指しましょう!
- 毛髪は3層構造で、そのほとんどがタンパク質
- 様々な刺激に意外と弱く、すぐダメージを受ける
- 毛髪は死んでいるので、自己修復しない
- 修復するためには、修復成分が必要
- 毛根を労ることが、禿げ改善の第一歩!
毛髪の基本構造
毛髪は、3つの層から成り立っています。外側から、キューティクル、コルテックス、メデュラとなります。
キューティクル(毛小皮)
ケラチンと呼ばれるタンパク質から構成されています。形状はウロコ状で重なり合い、毛髪内部の水分やタンパク質の流出を防ぐ役割を担っています。
コルテックス(毛皮質)
毛髪の大部分をコルテックスが占めています。占めている成分は繊維状の成分で、髪の太さ、硬さなどに大きく関与します。
ちなみに髪の毛の色は、コルテックスに含まれるメラニンの種類、量によって決まります。
メデュラ(毛髄質)
毛髪の中心に存在する芯みたいなもの。個人差が大きく、メデュラが太い人もいれば、細い人、ない人までいます。正直、メデュラの役割は今ひとつはっきりしていないんです。
ちなみに、毛髪の主成分は、「ケラチン」というタンパク質からできています。だいたい80〜90%がケラチンで、12〜14%程度水分を含んでいます。当然、この水分量が低くなれば、パサつく髪へと変化してしまうということになります。
お肌のみならず、毛髪も保湿、保水することが重要ということです。
毛髪と皮膚断面図
上図は、皮膚の断面から見た毛髪の関連の構造になります。
肌から露出している部分を毛幹、肌の内部にある部分を毛根と言います。
毛根には、毛母細胞、毛乳頭などが存在し、とても重要な役割を担っています。
ちなみに、毛根は、胎児のときに作られ、その数は生まれてから基本的に変化はしないのです。ですので、毛根が死んでしまえば、それまで。つまり、禿げていくことになります。
毛根を労ることが、ハゲ防止の第一歩かもしれません。
毛母細胞
毛の母と書いて、毛母(もうぼ)と呼びます。毛細血管や、毛乳頭から栄養を受け取り、分裂を繰り返し、毛髪へと変化していきます。
毛髪のの生みの親なので、毛母ってわけですね。
毛乳頭
毛髪の成長を管理するところ。司令塔ってやつです。毛乳頭からの指示で、毛母細胞が分裂、増殖などを行っていきます。
ヘアサイクルと脱毛
皮膚のサイクル、ターンオーバーはおよそ1ヶ月でしたよね。毛髪の一生、サイクルはどれくらいでしょうか。
およそ、5年と言われています。
皮膚とは全く異なるサイクル、一生を歩むんですよね。
毛髪のサイクルは、4つの段階に分かれます。
成長期初期
毛母細胞が分裂、増殖を繰り返し、成長していく段階です。
成長期
毛乳頭が毛母細胞へ栄養を送り込み、毛髪が成長、伸びて太くなります。
退行期
毛母細胞の分裂が止まります。毛球が収縮、毛根が押し上げられ、毛乳頭は、毛球から離れます。
休止期
毛髪が自然に抜け落ちる。そしてまた、毛髪を生やす準備に取り掛かるわけです。
上記のサイクルを繰り返し、髪は抜けて、新しく生えてくるのです。ただし、毛母細胞が死んでしまった場合、髪が新しく生えてくることはないのが道理ですね。
毛髪のトラブル
毛髪が傷む原因
髪が傷む、髪がパサつく、などに悩まされた方は、少なくないかと思います。髪は皮膚と異なり、死んだ細胞の集まりですので、傷んだ場合、基本的に傷んだままです。皮膚みたく、修復されることなんてありません。ですので、いかにして、髪に負担をかけないかが、美髪への近道となるのは、言うまでもありませんね。
髪が痛む原因は、大きく4つです。
紫外線(UV)に当たる
紫外線は、皮膚のみならず、髪にも影響します。先程書いたように、髪はケラチンというタンパク質で構成されています。タンパク質は、過度なUVによって、容易に変化しますので、長時間、日光を浴びる場合は、注意が必要です。
ドライヤーによる過加熱
毛髪はタンパク質、熱にも弱いのは当然です。適度なドライヤーは良いですが、過度に毛髪を熱してしまうと、タンパク質は変性しますし、毛髪内部の水分も飛んでいきます。つまり、パサつく髪への第一歩になりかねません。
ブラッシングなどによる物理的損傷
意外とブラシも髪を傷めます。ブラッシングによって、髪のキューティクルが剥がれるんですよ。キューティクルが剥がれると、髪内部の水分などが流出してしまいますから、髪が傷むのは当然。過度なブラッシングは禁物です。
パーマやカラーなどの化学的損傷
パーマやカラーは、化学処理を行います。ご存知ですか?キューティクルを開かせて、カラーを入れたりします。開かせるには、アルカリ剤で髪を浸す必要があり、これが髪には良くないのです。
人の見た目は大事ですから、髪の色やパーマ具合で、だいぶ印象も変わってきてしまいますから、パーマやカラーをしないで!とは言いませんし、言うつもりもないですが、過度なパーマやカラーは控えた方が無難ですよ。
これら様々な要因が加わり、髪はダメージを受け、最悪、毛根にもダメージがたまり、抜け毛に繋がっていくのです。
脱毛の原因
脱毛する原因もある程度わかってきています。おおよそ、下記の5つに分類されます。
血行循環が悪い
一般的な脱毛症の方で、血管密度の減少、血流量の低下、皮膚温低下などの、血の巡りやそれに関連するものが悪い傾向にあります。
頭皮マッサージが脱毛症に良いとされるのは、上記の原因改善に一役買うからですね。
男性ホルモン
かなり有名なお話ですよね。男性ホルモン、テストステロンが色々と変化を重ね、最終的に、ジヒドロテストステロンに変化。この成分が毛乳頭細胞に結合し、細胞の増殖を抑制、毛髪の成長がストップし、脱毛へと進行してしまいます。
頭皮環境の変化
皮脂腺から分泌される皮脂が過剰に増加した場合、頭皮環境が変化してしまいます。皮脂は放置すると、過酸化脂質(酸化した油なイメージ)へ、その皮脂を栄養源として、細菌が繁殖。ふけ、かゆみを発生させ、頭皮環境ががらりと悪くなります。当然、抜け毛という結末になります。
ストレス
現代社会において、ストレスフリーな人なんていないと思いますが、過度なストレスは、抜け毛に繋がります。何も精神的なストレスだけではありません。
例えば、ポニーテールなどの毛髪の引っ張りストレス、パーマ処理による毛髪の損傷なども、ストレスの一種です。物理的刺激も脱毛に大きく関与するので、やりすぎはNG。特に若い時は何ら問題なくても、年を重ねたときに、突如として現れるものです。お気をつけを。
遺伝
これも知られていることですね。統計学的に、両親や親族に禿げている方がいる場合、ご自身もその道を辿る確率は高くなることが知られています。
髪を傷ませない、禿げさせないためには、上記に書いたことをしないようにするのが良いと思います。遺伝も必ずしも実行されるわけではありません。日頃の積み重ねで、どうにでもなるかと思いますし、禿げてない人もたくさんいますからね。
変に頭皮をいじめるようなことはしないのが良いですね。
毛髪に関与する成分
色々と基礎的なお話をしましたが、ここからが本題?です。
髪を傷めるようなことをあまりせずとも、髪は傷むもの。髪は死んだ細胞で自己修復は不可能。
では、外から修復してあげるしかないんですよ。傷んだ髪を修復してくれる成分をご紹介しようと思います。順番は適当です。
※ここに挙げる成分は、ほんの一例です。他にも色々ありますので、商品説明の際に、説明しますので、ここに書いていない=補修成分ではない、ってことではありませんので、ご注意を。
γ-ドコサラクトン
キューティクル補修作用がある。ドコサラクトンは、ドライヤーやヘアアイロンなどの熱によって、毛髪と結合。髪のうねりやクセなどの改善が期待できます。
セテアラミドエチルジエトニウム加水分解コメタンパク
キューティクル表面に存在する成分と似たような構造を持っている。傷んだ髪に吸着し、毛髪を疑似修復してくれる役割があります。
セテアラミドエチルジエトニウムサクシノイル加水分解エンドウタンパク
上記コメタンパクと同様。
ジラウロイルグルタミン酸リシンNa
アミノ酸系の界面活性剤です。活性剤なのですが、毛髪表面のキューティクルのめくれ上がりなどを改善する効果が確認されています。
加水分解〇〇
結構たくさんあります。加水分解ケラチン、加水分解シルク、加水分解コンキオリン・・・などなど。これら加水分解〇〇は、毛髪や皮膚と同じ成分で構成されているので、生体親和性が高く、毛髪に吸着し、保湿効果を発現します。それによって、毛髪の水分量の増加、毛髪の強度をアップさせることが知られており、ダメージ毛補修に一役買う成分として、ヘアケア関連商品に配合されることが多いです。
アミノ酸やセラミド
毛髪は死んだ細胞の集まりです。毛髪には、アミノ酸やセラミド類が含まれるのは当然で、ダメージを受ければ、それらが流出、ハリコシのない髪へと変化するのは、至極当然のこと。それらの成分を補給するのことで、毛髪の質感改善に役立ちます。
また、毛髪に浸透しにくいような成分と、浸透促進剤を組み合わせたタイプも有効的です。
浸透促進剤については、「【本当に必要?】導入美容液の成分と分類」という記事で書いています。浸透促進剤は、肌に対してだけでなく、毛髪にも有効なんですよね。
髪の傷みが気になる方は、上記成分を意識して、商品を選んでみるのも良いと思います。個人差がありますので、必ず効果があるとは限りませんが。
また、リンスオフか、リンスオンか、でも違いが出てくると思います。当たり前ですよね。シャントリ(シャンプー、トリートメント)に配合されているよりも、洗い流さないヘアケア商品(ヘアエッセンス、ミルク、ウォーター)の方が、効果は高いことが多いです。もちろん、シャントリに配合しても、効果が高い成分もあります。吸着性がある成分がまさにそれですからね。
最後に
長々と毛髪について、書いてみました。
大事なのは、スキンケア同様、日頃から毛髪や地肌を労ることです。無理なことをすれば、反動が返ってくるのは、当たり前ですから。
無理なく、おしゃれを楽しみたいところです!
化粧品の基本的な成分や、お肌に関することなど、色々と書いています。良ければ、参考に読んでみてください。
「【お肌の基礎知識】皮膚の基本機能と構造 表皮・真皮・皮下組織」
「【美白成分最前線】シミ発生メカニズムとその対処方法、美白成分のまとめ」
また、シャンプーやトリートメントについても記事にしています。化粧品選びの参考にしてもらえれば幸いです。
「【知らなきゃ損!】凛恋 シャンプー&トリートメント 使用感と成分分析」
「【オーガニックヘアケア】ザ パブリック オーガニック「スーパーリフレッシュ」 使用感と成分分析」
「【やっぱり良かった!】ザ パブリックオーガニック スーパーポジティブ 使用感と成分分析」
「【HairRepro】薬用スカルプシャンプー(Oily)&薬用スカルプキープ 使用感と成分分析」
「【エイトザタラソ】クレンジングリペア&モイスト美容液シャンプー 使用感と成分分析」
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「【アミノメイソン】スムース シャンプー 使用感と成分分析」
「【アミノメイソン】スムース トリートメント 使用感と成分分析」
「【ナチュラルサイエンス】ママ&キッズ オリゴモイストシャンプー 使用感と成分分析」
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「【アミノメイソン】モイスト ホイップクリーム シャンプー 使用感と成分分析」
「【アミノメイソン】モイスト ミルククリーム トリートメント 使用感と成分分析」
「【&honey】メルティ モイストリペア シャンプー&トリートメント 使用感と成分分析」
最後までお読みいただき、ありがとうございました。